動画編集の営業メールで切られる細部3つ|実績画像・貴社・候補日3つ
この記事でわかること
- 営業メールが「提案の中身を読まれる前」に外される理由
- 実績を1枚の画像にまとめて本文に貼る、という書き方の理由と作り方
- メール文中で「御社」ではなく「貴社」と書く理由
- 「ご面談の機会をいただけると幸いです」で終わらせず候補日時を3つ出す型
- 送信ボタンを押す前に見る確認項目
営業メールは、中身の前で落ちていることがある
動画編集の営業で「返信が来ない」と相談を受けたとき、僕は必ず文面を見せてもらうのですが、提案の中身以前のところでつまずいているケースがあります。実績の並べ方、敬称や社名の書き方、締めくくりの一文。どれも本題ではないのに、読み手の判断はそこで動いてしまう。
2023年6月の個別相談で、僕は営業メールの添削をしながらこう言いました。
「御社ではなくてメールの文章では来たと書くのが ビジネスマナーなので まあこういうところからちょっともうこの人やめとこうってなっちゃうので」
※この発言は音声の書き起こしのため「来た」となっていますが、僕が指しているのは「貴社」です。
ここで僕が言いたかったのは、マナー違反そのものが罪だ、という話ではありません。受け手は「この人と仕事をするとどうなるか」を、送られてきた1通から推測するということです。細部が雑なメールを見た担当者は、納品物やコミュニケーションも同じ精度なのだろうと考えます。だから、検討のテーブルに乗る前に外れてしまうんですよね。
以下は、僕が添削のなかで繰り返し指摘してきた3点です。編集スキルの話は一切出てきませんが、送る前に直せるという意味では、いちばん費用対効果が高い部分でもあります。
細部1:実績は1枚の画像にまとめて、本文に貼る
やりがちなのが、実績を企業名の羅列で書いてしまうことです。「〇〇株式会社様、△△チャンネル様、□□様……」と社名やチャンネル名を文字で並べる。書いた側は実績が伝わったつもりでいますが、読む側からすると文字だけの列挙は読むのが辛い。しかも動画編集は成果物が映像なので、社名を読んでも何ができる人なのかが分かりません。
そこで僕は、実績をまとめた画像を1枚作り、メール本文に直接貼る、という形をすすめています。サムネイルやキャプチャを並べたレイアウトにして、テキストではなく画像で一望させる。読み手は目を動かすだけで、どんなジャンルの、どんな見た目の動画を作る人なのかを把握できます。
1枚に載せておきたい情報
- 実際の映像のキャプチャ、またはサムネイル画像(複数点)
- それぞれのジャンル(ビジネス系、対談、商品紹介、ショートなど)
- 自分が担当した工程(カット・テロップ・アニメーション・撮影・構成など)
- おおよその尺(例:10〜15分、60秒)
作るときに気をつけたいのは、掲載してよい素材かどうかです。取引先によっては制作会社名や編集者名を出さない契約になっていることがあるので、社名やチャンネル名を出す前に確認を取ってください。確認が取れないものは、社名を伏せて「ビジネス系YouTube 10分尺」といったジャンル表記だけにする方法もあります。
なお、この画像はポートフォリオサイトの代わりではありません。詳しく見たい人のためにリンクは別途置いたうえで、リンクを踏まなくても大枠が伝わる状態をメール本文の中に作る、という考え方です。その1枚に何を載せるかは動画編集のポートフォリオの作り方で書いています。
細部2:メールの文章では「御社」ではなく「貴社」
話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」を使う、というのが一般的なビジネス文書の慣習です。商談で口に出すときは「御社」、メールや提案資料に書くときは「貴社」。前述の引用にあったとおり、ここが混ざっているだけで「この人はやめておこう」という判断につながることがある、という前提で僕は添削しています。
この指摘に対して、「そんな細かいことで決まるのか」と感じる人は少なくありません。ただ、判断しているのは相手であって、こちらではありません。相手がそこを見ている以上、直しておくほうが合理的です。しかも直すコストはほぼゼロで、文面を検索して置き換えるだけで済みます。
同じ性質で見られやすい書き方
- 会社宛に送るときの「〇〇株式会社 御中」と、個人宛の「〇〇様」を混ぜない
- 「〇〇株式会社様」のように、社名に直接「様」を付けない
- 「(株)」と略さず「株式会社」と正式名称で書く
- 相手の社名・担当者名の表記を、送信前に公式サイトと突き合わせる
とくに最後の一点は重要です。テンプレートを使い回していると、社名の差し替え漏れが起きます。前に送った別の会社名が本文に残っていた、という事故は、細部どころか一発で終わる部類の失敗です。
細部3:「ご面談の機会をいただけると幸いです」で終わらせない
営業メールの締めで多いのが、「一度ご面談の機会をいただけると幸いです」という一文です。丁寧ではありますが、この形で終えると、次に動くべき人が相手になってしまう。相手は自分のカレンダーを開き、空いている日を探し、返信を書かなければいけません。返信するまでの手間が大きいほど、後回しにされます。
だから僕は、空いている候補日時を3つ提示してから締める、という形にしています。相手がやることは「この中から選ぶ」か「別日を提案する」だけになり、往復が1回減ります。
候補日の書き方
- 日付・曜日・時間帯をセットで書く(例:9月10日(水)14:00〜15:00)
- 3つは日付をばらけさせる(同じ週の連続3日より、間隔を空けたほうが当たりやすい)
- 所要時間の目安を添える(「30分ほど」など、相手が枠を確保しやすくなる)
- 実施方法を書く(オンライン会議、対面など。ツール名も指定しておく)
- 「上記でご都合が合わない場合は、ご希望の日時をお知らせください」と逃げ道を残す
候補日を出すときの前提として、自分のカレンダーが実際に空いていることを確認してください。提示した日を相手に押さえられた後で「やはり難しい」と返すのは、細部を整えた効果を全部打ち消します。
3つに共通しているのは「相手の手間をこちらで引き取る」こと
実績画像も、「貴社」も、候補日3つも、バラバラのマナー知識に見えますが、方向は同じです。読む・考える・調べるという作業のうち、こちらで代われる分を先に済ませておくということです。
文字を目で追って実績を想像する手間は、画像1枚で代われる。表記を確認する手間は、送信前の1分で代われる。日程を探す手間は、候補日3つで代われる。営業メールの精度とは、こちらの熱意を積み増すことではなく、相手側に残る作業量をどれだけ削れたかだと考えると、直す場所が分かりやすくなります。
逆に言えば、テンプレートをそのまま送るやり方が弱いのは、この「相手の手間を引き取る」部分がテンプレートに含まれていないからです。文面の型は借りられても、候補日と実績画像は自分で用意するしかありません。文面そのものの型は動画編集の営業文の書き方にテンプレと例文を載せています。
送信ボタンを押す前のチェック項目
書き終えてすぐ送らず、以下を上から順に確認してください。慣れれば2〜3分で終わります。
- 本文中に「御社」が残っていないか(検索して確認する)
- 宛先の社名・部署名・担当者名の表記が公式サイトと一致しているか
- 別の会社宛の文章が残っていないか(使い回し時の差し替え漏れ)
- 実績画像が本文に貼られていて、開かなくても内容が見えるか
- 画像に載せた実績は、掲載の許可が取れているものか
- 候補日時が3つ書かれていて、そのすべてが自分の予定で空いているか
- 所要時間と実施方法(オンライン/対面)が書かれているか
- 返信先のメールアドレスと署名が正しいか
- 件名だけで、誰が何の用件で送ったのかが分かるか
この確認をする前提として、送信は時間に余裕があるときに行ってください。急いで送ったメールほど、上の項目が抜けます。
それでも返信が来ないときに見る順番
細部を整えたうえで反応がない場合、僕が疑う順番があります。最初に見るのは文面の巧拙ではなく、送り先の選び方です。動画をまだ出していない会社、外注を使う予定のない会社に、どれだけ丁寧なメールを送っても返信は来ません。
次に見るのが、提案の中身が相手の状況に合っているかどうか。相手のチャンネルや発信を見たうえで書かれた一文が入っているかどうかで、読まれ方は変わります。文面のマナーは、この段階に進むための最低条件であって、それ自体が受注理由になるわけではない、という位置づけです。
ここで扱った3点は、あくまで「読まれる前に外される確率を下げる」ための調整です。提案内容そのものの作り方は別の論点なので、混ぜて考えないほうが原因を切り分けやすくなります。実績が足りないと感じている場合は動画編集の実績の作り方を先に読んでください。
よくある質問
実績画像は、添付ファイルではだめですか
添付にすると、開くという操作がひとつ増えます。開かないまま判断される可能性を減らすために、本文に直接貼る形を僕はすすめています。ただし、送信先の環境によっては画像が表示されないこともあるため、画像が見えなかった場合に備えて、実績の概要を数行のテキストでも書いておくと安全です。
実績がほとんどない場合、画像は作れませんか
案件実績がなくても、自主制作や模擬案件のキャプチャで1枚にまとめることはできます。その場合、実案件かどうかを偽らずに明記してください。「練習として制作したもの」と書いたうえで見せるほうが、実績があるように見せかけて後で崩れるより、結果的に信用を落としません。
候補日を3つ出したら、全部埋まってしまいました
候補日を出した時点で、その枠は一時的に押さえておく、という運用を僕はすすめています。他の商談で埋まった場合は、相手から返信が来る前に、こちらから訂正と新しい候補日を送ってください。放置して後から断るのがいちばん印象を損ねます。
「貴社」以外に、直しておくべき表記はありますか
会社宛の「御中」と個人宛の「様」を併用しない、社名に「様」を付けない、社名を略さない、といったあたりが同じ性質の項目です。すべて調べれば数分で確認できるものなので、判断に迷ったら送信前に検索する習慣をつけておくと安全です。
この3点を直せば、返信率は上がりますか
返信が来るかどうかは、送り先の状況や提案内容、タイミングなど複数の要因で決まるため、この3点だけで結果を約束することはできません。ここで扱っているのは、内容を読まれる前に外されるという事態を減らすための調整です。
まとめ
営業メールで見られているのは、提案の中身だけではありません。2023年6月の個別相談で僕が指摘したのは、実績を1枚の画像にまとめて本文に貼ること、メールの文章では「御社」ではなく「貴社」と書くこと、そして「ご面談の機会を」で終わらせず候補日時を3つ出すこと。細部のマナー違反ひとつで検討対象から外れる、という前提に立って僕は添削しています。
3つに共通しているのは、相手に残る作業量を減らすという方向です。読む手間、確認する手間、日程を探す手間。こちらで引き取れるものを引き取ってから送る。編集スキルを上げるより早く、今日書くメールから直せる部分です。
免責事項
本記事は、株式会社ブイストが運営する動画編集スクール「ブイプロ」の代表である僕(山田一真)の講義と個別相談の内容をもとに書いています。記載した文面や項目は返信率を高めるための工夫であり、特定の収入・成果・案件獲得を保証するものではありません。反応は送り先や時期によって異なります。営業メールの送信にあたっては特定電子メール法をご確認ください。
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P.S. 7年前の疲弊する前に欲しかった…
