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動画編集の営業先の選び方|最初は映像制作会社から始める理由と手順

公開日: 2026年9月18日 最終更新: 2026年10月2日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表
最初の営業先は 映像制作会社

はじめまして。この記事を書いた人です

山田一真(カズマル)動画編集スクール「ブイプロ」代表/株式会社ブイスト

  • 2019年12月、報酬500円の動画編集案件から個人で仕事を始める
  • 個人受注から法人・代理店の案件へ広げ、2022年に株式会社ブイストを設立
  • 2025年8月、同社の株式を株式会社エフ・コード(東証グロース・9211)へ譲渡。現在も福岡を拠点に運営を継続
  • 受講生から寄せられた成果報告 延べ555件・実人数380名を自社で集計し、内容を公開している

この記事を書ける理由:この記事は、最初の営業先を映像制作会社に置く理由を、僕自身が個人で受注を広げていったときの順番をもとに書いています。

この記事でわかること

  • 最初の営業先を映像制作会社に固定する理由
  • 「売りやすい」という言葉が実際に何を指しているのか
  • 美容サロンなどの事業会社に送るときと、提案の作り方がどう変わるのか
  • 映像制作会社のリストを作る具体的な手順
  • 初手のあと、どこへ営業先を広げていくかの考え方

営業で最初に詰まるのは、文面ではなく「送り先」

動画編集の営業を始めようとするとき、多くの人はまず営業文のテンプレートを探します。書き出しをどうするか、実績をどう見せるか、料金を書くべきか。ところが実際に手を止めるのは、その手前です。文面ができても、送る相手が決まっていない。リストが白紙のまま数日が過ぎる、という状態はかなり多く起こります。

営業先は理屈のうえでは無数にあります。YouTubeチャンネルの運営者、企業の広報担当、地域の店舗、代理店、クラウドソーシングの発注者。選択肢が多いこと自体が、初心者にとっては負荷になります。どれも「取れそうな気もするし、無視されそうな気もする」からです。

ここで有効なのが、最初の一手を自分で選ばずに固定してしまうことです。僕は2023年5月の個別相談で、最初の営業先を映像制作会社に固定して伝えました。別の受講生との個別相談でも、その方の状況をひととおり聞いたうえで、同じ結論を出しています。相手によって細部は変わるのに、初手だけは変わらないんですよね。ここには理由があります。初手のあとに広げる手は動画編集の営業方法37選に一覧があります。

僕が映像制作会社を初手に置く理由

そのとき僕は、こう言いました。

「映像制作会社って映像を作ってる会社なので、もちろん動画を作る案件はたくさん多いわけですね。そこに対して自分動画編集やってますんでっていうと、一番売りやすいんです」

短い説明ですが、この中に二つの条件が入っています。ひとつは、動画を作る仕事が確実にそこにあること。もうひとつは、こちらが名乗るだけで用件が通じること。この二つが同時に揃っている営業先は、実はそれほど多くありません。

映像制作会社は、動画を作ることそのものが事業です。案件が動いている限り、編集の工数は必ず発生します。相手に「動画を作る必要がありますよ」と説明する工程が丸ごといりません。動画編集をやっていると伝えた時点で、相手の頭の中では自社の進行中の案件と照らし合わせが始まります。

別の方との個別相談でも、僕は「僕的には映像制作会社だなと思ったので、まずは映像制作会社でいいかなと思いました」と言いました。迷った末に選んだというより、条件を満たす先を機械的に選んだ、という言い方に近いです。

「売りやすい」の中身は、提案の翻訳コストの低さ

売りやすい、という言葉は曖昧に聞こえます。実務に落とすと、提案を相手の言葉に翻訳する手間が少ない、という意味に整理できます。

動画編集者が営業でやっていることは、突き詰めると「相手が困っていることと、自分ができることを、同じ言葉で並べる」作業です。相手が動画をまだ作っていない会社なら、まず動画が必要な理由を説明し、それが売上や集客とどうつながるかを描き、そのうえで自分に頼む理由を示す必要があります。工程が三段あります。

映像制作会社が相手なら、最初の二段が省けます。動画が必要な理由も、動画がビジネスになる理屈も、相手のほうが詳しいからです。残るのは「自分に頼む理由」だけになります。編集ができること、対応できる本数、納期、使えるソフト。伝えるべき情報が絞られるぶん、営業文も短く具体的になります。

この差は、返信率だけの問題ではありません。営業を続けられるかどうかにも効きます。翻訳の工程が多い営業は、1件書くのに時間がかかり、断られたときの消耗も大きくなります。最初の営業先で消耗しきってしまうと、そもそも2社目に進めません。

事業会社が悪いわけではない。「悩みが違う」だけ

ここで誤解しないでほしいのは、美容サロンや飲食店のような事業会社に営業してはいけない、という話ではないことです。僕は事業会社について、映像制作会社とは「悩みが違う」ため、相手に合わせた提案が要ると区別して伝えています。禁止ではなく、必要な準備が違うという整理です。

事業会社の担当者が抱えているのは、動画の悩みではありません。新規のお客さんが来ない、リピートが続かない、求人に応募が来ない、といった事業の悩みです。動画はその解決手段の候補のひとつでしかなく、しかも本命の候補ではないこともあります。ここに「動画編集ができます」とだけ送っても、相手の悩みの言葉と噛み合いません。

つまり事業会社への営業は、業種ごとのリサーチと仮説作りがセットになります。その業種は何で集客しているのか、競合はどんな動画を出しているのか、動画で何の数字を動かしたいのか。ここまで用意できるなら事業会社は有力な営業先ですが、準備の量は明らかに増えます。

整理するとこうなります。

比較の軸 映像制作会社 事業会社(サロン・店舗など)
動画を作る必要の説明 不要 必要
相手の主な関心 制作の工数と品質 集客・売上・採用などの事業課題
提案に必要なリサーチ 比較的少ない 業種ごとに必要
伝えるべきこと 自分に頼む理由 動画が要る理由+自分に頼む理由

初心者が最初に取り組むなら、準備の少ない側から入るほうが、行動量を確保しやすくなります。

映像制作会社リストの作り方

初手を決めたら、次はリストです。難しく考える必要はありません。手順としてはこの順で進めます。

  • 検索で拾う:「映像制作会社 + 地域名」「動画制作会社 + 業種」で検索し、会社サイトを一覧化する。地域を自分の住んでいる場所に限定する必要はありません。
  • 制作実績ページを見る:どんな動画を作っているかを確認します。YouTube中心なのか、企業VPなのか、広告なのかで、求められる編集も変わります。
  • 編集者の募集有無を確認する:採用ページや「協力パートナー募集」の記載があれば優先度を上げます。窓口が用意されている会社は、外注を使う前提で回っています。
  • 問い合わせ先を控える:問い合わせフォーム、公開されているメールアドレス、SNSのアカウントなど、連絡できる経路を記録します。
  • 1社1行で管理する:会社名、URL、実績の傾向、連絡経路、送信日、返信の有無。スプレッドシート1枚で十分です。

リストを作る段階で「ここは受けてくれなさそう」と自分で削らないほうが進みます。判断するのは相手であって、こちらが先回りして削ると、送れる母数だけが減っていきます。

送る前に用意しておくもの

映像制作会社への営業は伝える内容が絞られる、と書きました。裏を返すと、その絞られた情報の質がそのまま評価になります。送る前に、次のものは形にしておきます。

ひとつは、実際に見られる編集物です。案件の実績がない段階なら、既存動画を題材にした模擬案件でもかまいません。相手が知りたいのは「何ができる人か」であって、それは口頭の説明ではなく画で伝わります。カット、テロップ、音の処理といった基本の工程が一定の水準で終えられているかが見られます。

もうひとつは、稼働の条件です。週にどれくらい動けるか、1本あたりどれくらいで戻せるか、修正対応はどこまでやるか。制作会社は進行管理をしている側なので、スケジュールが読める相手かどうかを重視します。ここが曖昧だと、編集の腕とは別のところで見送られます。

最後に、使用ソフトと納品形式です。Premiere Proなのか、プロジェクトファイルごと渡せるのか、書き出し設定の指定に対応できるのか。制作会社の既存フローに乗れるかどうかは、実務では大きな判断材料になります。発注側が何を見ているかは動画編集者に企業が求めるもので扱っています。

初手のあと、どこへ広げるか

映像制作会社を初手に置くのは、そこだけで完結させるためではありません。最初の1件を取り、実務のやり取りを経験し、納品物が手元に残る状態を作るための入口です。

そこを通ると、次の営業先に持っていける材料が増えます。実際に納品した本数、対応した動画のジャンル、進行のやり取りの経験。これらが揃うと、事業会社に対しても「この業種の動画をこう作りました」と具体的に話せるようになります。準備コストの高い営業先が、準備できる状態になってから開くわけです。

広げ先としては、YouTubeチャンネルの運営者への直接営業、企業の広報や採用の担当部署、広告代理店、地域の事業者などがあります。どこへ行くにしても、順番が逆になると苦しくなります。何も渡せるものがない状態で、説明工程の多い相手に向かうのが、いちばん折れやすい進め方です。相手ごとに単価が変わる仕組みは動画編集の単価が人によって違う理由にまとめています。

よくある質問

映像制作会社は単価が低いと聞きますが、それでも最初に狙うべきですか

単価は会社や案件によって幅があり、一律に低いとも高いとも言えません。ただ、制作会社を経由する場合はその会社が発注元との間に入る構造になるため、最終的な発注額とは差が出ます。それを理解したうえで、最初の実務経験と実績を得る場として使う、という位置づけで考えると判断しやすくなります。単価の交渉は、継続して取引が始まってからの論点です。

実績がゼロでも映像制作会社に送っていいのでしょうか

送ること自体は問題ありません。ただし、見せられる編集物は用意してから送るほうが話が進みます。案件実績がない場合は、既存動画を題材にした模擬編集で構いません。何も添えずに「やる気があります」とだけ伝える形は、相手が判断できる材料がなく、返答しづらくなります。

何社くらい送ればいいですか

適正な社数は、送る内容や相手の状況によって変わるため、一律の数字は出せません。数字を決めるより、リストが尽きたときに追加する運用と、返信の有無を1社ずつ記録する運用を先に作るほうが続きます。返信がない場合も、文面のどこを変えたのかがわかる状態にしておくと、次の改善につながります。

事業会社に最初から営業してはいけませんか

いけないということはありません。すでにその業種に詳しい、前職の人脈がある、といった事情があるなら、事業会社が最短になる場合もあります。判断の軸は、動画が必要な理由まで自分で説明しきれるかどうかです。そこが用意できないうちは、説明工程の少ない映像制作会社から入るほうが、行動を止めずに進められます。

まとめ

営業の初手を映像制作会社に固定する理由は、動画を作る仕事が確実にそこにあり、こちらの用件が説明なしで通じるからです。僕は2023年5月の個別相談で「一番売りやすいんです」と伝え、別の方との相談でも同じ結論を出しました。

事業会社が劣るという話ではなく、「悩みが違う」ぶん、業種ごとのリサーチと仮説がセットで必要になるという違いです。準備の少ない側から入り、実績とやり取りの経験を積んでから、準備の要る営業先へ広げる。この順番にしておくと、途中で消耗して止まる確率を下げられます。

まずやることは、検索で映像制作会社を一覧にし、実績ページを見て、連絡経路を1社1行で記録することです。文面を完成させる前に、送り先の欄を埋めるところから始めてください。

免責事項

本記事は、株式会社ブイストが運営する動画編集スクール「ブイプロ」の代表である僕(山田一真)の講義と個別相談の内容をもとに書いています。記載した営業先の選び方は当時の判断にもとづくものであり、特定の収入・成果・案件獲得を保証するものではありません。適した営業先は本人のスキルと提供できる範囲によって異なります。

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