ホームブログ > AI時代の動画編集に必要な思考力|単価差を生む考える力の鍛え方

AI時代の動画編集に必要な思考力|単価差を生む考える力の鍛え方

公開日: 2026年9月1日 最終更新: 2026年9月12日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表
単価の差を生むのは 考える力

はじめまして。この記事を書いた人です

山田一真(カズマル)動画編集スクール「ブイプロ」代表/株式会社ブイスト

  • 2019年12月、報酬500円の動画編集案件から個人で仕事を始める
  • 個人受注から法人・代理店の案件へ広げ、2022年に株式会社ブイストを設立
  • 2025年8月、同社の株式を株式会社エフ・コード(東証グロース・9211)へ譲渡。現在も福岡を拠点に運営を継続
  • 受講生から寄せられた成果報告 延べ555件・実人数380名を自社で集計し、内容を公開している

この記事を書ける理由:「操作はできるのに単価が上がらない」状態を、僕自身が通ってきました。始めた頃は思考力で誰にも勝てず、指示書が読めない編集者に腹を立てた末に、悪いのは自分の指示書だったと気づいた側です。そこで貯めた判断の基準を、そのまま思考力=実務力として書いています。

同じソフトを使って、同じ速さで手を動かしている編集者が二人いても、報酬に差がつきます。その差の正体は、たいてい「操作の速さ」じゃないんですよね。何を作るべきかを自分の頭で決められるかどうか。つまり思考力です。

動画編集スクール ブイプロ(運営:株式会社ブイスト)を立ち上げた山田一真です。僕はこの論点を、ずっと「思考力=実務力」という言葉で話してきました。説明の軸にしているのが、講義で毎回出てくる『ドラえもん』の比喩と、「鹿肉理論」と呼んでいる順序の話です。まずその比喩の中身を書いて、そこから構成案・修正対応・提案という実務の3シーンで「考える」の中身を分解していきます。

この記事でわかること

  • 「言われたとおりに作る人」と「何を作るべきか考える人」が、どの場面で分かれるのか
  • 「ドラえもん論」の3つの側面(語られない「なぜ」/本音を引き出す条件/道具頼みへの警戒)
  • 思考が先、技術が後という順序を示す「鹿肉理論」
  • 思考力が身につきにくい構造的な3つの理由と、その回避策
  • 思考力を得る3つの手段(自家発電・盗む・買う)のコストと弱点
  • 構成案・修正対応・提案の3シーンで「考える」を手順に落とす方法
  • 単価263件・悩み469件のデータが示す分布と読み方
  • AI時代に「作業」と「思考」がどこで切れるのか
  • 30日で思考力を鍛える週別の設計

「言われたとおりに作る人」と「何を作るべきか考える人」の分岐点

僕の講義には、実務力の段階を示す一文があります。「0→1は操作方法。1→10は思考力。言われた操作ができる人ではなく、思考できる人が求められている」。ここで大事なのは、操作方法を否定していない点です。テロップが入れられない状態では土俵に上がれません。問題は、その先の伸び方が操作の延長線上にないという構造のほうにあります。

技術各論の締めくくりでは、もっと直接的に警告しています。「直してと言われたところを直すだけなら、実務力がついているように見えて教科書通りのロボット。ロボット力を鍛えても単価は上がらない」。これは働き手を責める言葉じゃありません。指示どおりに直す能力は、発注側から見れば「代わりがいる能力」として評価されてしまう。市場の構造の説明です。

同じことが、評価軸のズレとしても起きます。編集者はカット・テロップ・納期・即レスで自分を採点しますが、発注側は「売上に影響したか」「見てほしい人に届いたか」しか見ていない。お客さんの笑顔ではなく、10分以内に提供したい・盛り付けがうまくできた、を考えているラーメン屋になっていないか。腕を磨くこと自体は正しいのに、物差しが相手と違うんです。

観点 言われたとおり型 考える型
仕事の受け取り方 マニュアルを実行対象として読む 背後の狙いを推定して読む
テロップ 喋りを文字起こしして全部載せる 聞き取れる箇所は載せず、理解を早める箇所に置く
カットの「間」 無音は一律で詰める 言葉のヒゲは削り、意味のある間は残す
色・フォント いつものテンプレを流用する 案件ごとに、その印象を選んだ理由を言える
修正指示 指摘された箇所だけ直す 指摘の背後の基準を抽出して横展開する
打ち合わせ 指示を待ち、確認事項を潰す 目的を確認し、選択肢を出す
発注側から見た価値 速さと正確さ(比較されやすい) 判断の代行(置き換えにくい)

この右列は才能の話ではなく手順の話です。以降で、右列に移るための中身を分解していきます。なお、スキルの高さと単価が自動的には連動しない構造については、スキルと単価は別物である理由でも整理しています。

ドラえもん論――語られない「なぜ」を、自分で言語化する

「思考力」を説明するとき、僕が必ず持ち出すのが『ドラえもん』です。技術講義で言っているのはこういうことです。思考はクリエイターの心臓であり財産である。あの猫型ロボットがなぜ青い色なのか、その理由を作者は語っていないし、言語化もされていない。だから僕らが言語化する。誰もが知っているデザインなのに、その理由は誰も配ってくれない。そういう状況の比喩です。

これが実務に直結するのは、現場がまったく同じ構造だからです。現場の人は「やれ」と言うだけで、なぜやるのかは教えてくれない。教える義理がないですからね。だから思考は自分で貯めるか、買うしかない。操作方法はチュートリアルに山ほどありますが、「なぜこの色なのか」の答えはどこにも置かれていません。

ブイプロでは、この「なぜ」を埋める辞典のような一覧を僕が作っています。たとえばクリップの先端を揃える理由は、カットとテロップを同時に切り替えて視覚変化を最大化するため、1フレームのズレによる無意識のストレスを排除するため。効果音の高低は「場面に合っているか」だけでなく「その音でどんな印象を与えたいか」で選びます。

ドラえもん論のもう2つの側面

同じモチーフを、僕は別の文脈でもあと2回使っています。ひとつは、受講生向けのビジョンコーチングで出す「ドラえもん条件」です。紙を縦半分に折って現状と理想を書き出すワークで、理想の側を書くときの判定条件になります。何でも叶えてくれるドラえもんが横にいるとしたら、本当は何が欲しいのか。人は「年齢だから」「地方だから」と自分を伏せて、理想に蓋をしてしまう。だから本音の吐き出しを訓練する、という設計です。

もうひとつは、セミナーで言う警戒の話です。効率化やAI時短術ばかり追いかけている状態を、裏技やドラえもんのような「あったらいいな」に頼っている状態だと表現しています。言いたいことは単純で、AIがなくてもいい動画を作れることが本質だろう、ということです。

3つ並べると、線がひとつ見えてきます。道具は誰の手にも増えていく。理由を説明してくれる人はいない。本当に欲しいものは自分で言語化しないと出てこない。道具を使う側にとどまるか、道具に何をさせるかを決める側に回るか。この分岐がそのまま思考力の話になっている。これが「ドラえもん論」の構造です。

鹿肉理論――思考が先、技術が後という順序

思考力の話には、セットで話す順序の理論があります。「鹿肉理論」です。彼女が食べたいもの(鹿肉のミディアムレア)が分かっても、焼けなければ意味がない。相手が欲しいものを見抜く思考が先にあって、それを実現する技術が後から要る。思考だけでは料理は出てきません。技術だけなら、注文と違う料理が出てきます。

それと、外し方の痛みには序列があります。もっとも痛いのは「劣化コピー」、つまりちょっと違う状態です。鹿肉を頼んだのに牛肉のステーキが出てくる悲しさはえげつない。チャーハンならまだ諦めがつくんですよ。この序列は「完コピ」の基準に直結します。お手本と重ねて1ミリもずれていない状態、フォントの太さ、境界線、色調まで。それっぽいコピーは、技術不足の証明になってしまいます。

締めの言い回しが「鬼(思考力)に金棒(技術力)」です。順序を間違えると、金棒だけを磨き続けることになります。

思考(欲しいものが分かる) 技術(再現できる) 現場で起きること 次の一手
ある ある 初稿で通る。判断を任される 提案・KPIの領域へ広げる
ある ない 狙いは正しいが仕上がりが追いつかない 完コピで再現力を上げる
ない ある きれいだが「ちょっと違う」が出る 「なぜ」の言語化を貯める
ない ない 指示の実行者として扱われる まず現場レベルの8項目を潰す

思考力が身につきにくい、構造的な3つの理由

先に言っておきたいのは、思考力が身につかないのは本人の怠慢じゃないということです。習得が難しい理由は、3つの構造に分けられます。

第一に、入り口の時点で差があること。正直、僕は始めた時点でいい大学出身の人や大手企業出身の人、医学生に思考力では勝てませんでした。操作方法は手順として並べられますが、思考は人生が影響します。スタートラインは平等じゃない。

第二に、チュートリアルでは学べないこと。教材の多くは数値のいじり方を教えますが、「なぜこのデザインなのか」は入っていません。第三に、現場では理由を教わらないこと。指示は降ってきますが、理由は降ってきません。

ただ、この話には続きがあります。テレビを何時間も見てきた、YouTubeが好きでずっと見ている――そうした視聴体験まで含めて「実力」の材料になります。学歴や経歴だけが思考の元手ではありません。技術は蓄積可能であり、蓄積の器が思考である。僕はそういう言い方をしています。

身につきにくい理由 回避のしかた
入り口で差がある 視聴体験を分析対象に変える
チュートリアルに「なぜ」がない 操作を覚えるたびに使う理由を1行書く
現場で理由を教わらない 指摘を基準に翻訳してストックする

思考力を手に入れる3つの手段――自家発電・盗む・買う

では、どう貯めるのか。手段は3つに整理できます。

  1. 自主思考と制作(自家発電)。自分で考え、自分で作る。一番遠回りだけど正しいやり方です。
  2. 多くの案件経験(盗む)。他人の判断に触れる。ただし自分の解釈が正しいかを検証できません。
  3. フィードバックをもらう(他人の脳みそを買う)。一番お金がかかるけど一番早い。検証がその場で回るからです。

蓄積のイメージは水です。思考の水が川となり海となる。やがてお客さんの思考に追いつくタイミングが来る。一発でOKが出るトップクリエイターは、そこに達した人。思考力を「ひらめき」ではなく「量」で説明しているのが要点です。一発で通る人は勘がいいんじゃない。相手が考えることを、先に考え終えているだけです。

手段 具体的にやること 金銭コスト 速さ 弱点
自家発電 完コピ、自主制作、「なぜ」の書き出し 低い 遅い 正解と照合できない
盗む 案件数をこなし、他者の判断を観察する 中くらい 中くらい 自分の解釈を検証できない
買う フィードバックを受け、理由まで質問する 高い 速い 受け手の消化力に依存する

実務シーン1:構成案で「考える」の中身を分解する

「考えろ」と言われても動けないのは、考えることが動作に分解されていないからです。まず構成案から見ていきます。

ブイプロの編集哲学の中核は「伝わる編集」で、僕はこう定義しています。動画編集は装飾じゃなくて咀嚼。赤ちゃんに固形物をそのまま食べさせる人はいない。相手が飲み込みやすい形に、差し替える・足す・引く。構成を考えるというのは、この「飲み込みやすい形」を先に決める作業です。

  1. 動画の役割を1つに決める。多くの人はすべての動画を認知動画だと思っています。でも比較段階の人にバズは要らないし、購入直前の人に踊ってみたは要りません。認知・比較・信頼のどれを担う動画かを最初に決めます。
  2. 視聴後に起こってほしい行動を1つ書く。問い合わせか、次の動画への遷移か、態度の変化か。ここが決まらないと、以降の判断がぜんぶ好みの話になります。
  3. 「脊髄で分かる」設計に落とす。僕はよく「視聴者はIQ2」という言い方をします。視聴者を軽く見ているのではなく、それくらい負荷を落とすという意味です。脳ではなく脊髄で理解できる動画が、最後まで見られます。
  4. 足すより先に引く。他のところも咀嚼してほしい、は編集者のエゴです。人が1秒に受け取れる情報量には限りがあるので。演者の顔を隠してでも視線を1点に集約する判断も、ここに含まれます。
  5. テロップを補助線として置く。テロップは文字起こしではなく思考の橋渡しで、聞き取れる箇所には要りません。多ければいいわけじゃない。

この5ステップを踏むと、構成案は「並べた順番」ではなく「選んだ理由の束」になります。理由の束があれば、修正が来たときに議論ができます。

実務シーン2:修正対応で分かれる、ロボット力と思考力

修正対応は、思考力の差がもっとも見えやすい場面です。修正指示は、発注側が持っている基準の開示にほかなりません。まずいのは、指示を「作業リスト」としてだけ処理してしまうことです。

生々しい数字も残っています。20個の修正指示のうち6個が直っていなかった、つまり未修正率30%という実話です。これは怠慢というより、指示を機械的に潰す運用の脆さだと思っています。だから修正は、全件を一覧化して潰す。

僕自身、指示書がまったく読めない編集者に出くわして「はぁ?」と腹が立ったことがあります。でも指示書のどこが悪いのか考えてアップデートしたら、途端に修正がほぼ無くなった。読めない編集者も悪いけど、結局僕が悪かったんです。指摘の背後を考えるのは、発注側でも受注側でも同じでした。

思考型の対応には、追加の動作が2つあります。ひとつは基準への翻訳。「1分46秒に画像を挿入してください」を実行するだけでなく、なぜそこなのかを推定します。前後の画面変化が少なく視聴者が飽きるから、という理由が背後にあるなら、同じ条件の箇所は他にもあるはずです。もうひとつはセルフマニュアル化で、マニュアルのない案件では指摘内容を自分でストックします。

返し方にも型があります。「以後気をつけます」は次の行動がないので不十分です。「今後は書き出し前に2回、後に1回の見直しを徹底します」のように、動作で答える。納期の連絡も、何日の何時までに提出するかを期日で言います。

修正指示の例 ロボット的な対応 思考型の対応 次に起きること
ここに画像を入れて 指定秒数に画像を1枚入れる 画面変化が乏しい箇所を全体から洗い出す 同種の指摘が減る
テロップが読みにくい フォントサイズを上げる 背景色・太さ・改行位置まで一括で見直す 基準が自分の中に残る
テンポが悪い 無音をさらに詰める 削る間と残す間を分け、残した理由を添えて返す 判断を任されるようになる
前回と同じミス その場で直す セルフマニュアルに追記し、チェック工程に組み込む 再発が構造的に止まる

実務シーン3:提案は「すごろく」を進める装置

3つ目が提案です。中心にあるのはいい提案とは、相手の思考の橋渡しになることという考え方。購買心理はすごろくで描けます。漠然とした欠乏感から始まって、悩みが顕在化し、手段を選び、発注先を選び、「今日決める理由」に至る。各マスの間を進める装置が提案です。

最重要は「相手が今どのマスにいるかの見立て」で、ここが一番難しい。だからヒアリングが提案に先行します。商談の冒頭でいきなり資料を開かず、まず聞く。悩みのアンサーとしてサービスを説明する、という順番です。相手の課題をどう捉えるかについては、クライアントの悩みを理解するという仕事でも扱っています。

動画編集の提案は、もっとシンプルでもいいと思っています。伝えるべきはQCD、つまりQuality(品質)、Cost(品質に見合う価格)、Delivery(納期。いい動画が安くても納品が半年先なら買われない)。この3つが伝わればいい。

さらに上級の型が「KPI提案」です。初稿リードタイムを5日から3日へ、平均修正回数を10ラリーから2ラリーへ、外注管理工数を月10時間から7時間へ(30%削減)といった形で、担当者の浮いた時間まで数字にします。ただしKPIを書くには相手の現状数字が必要で、いきなり聞いても答えてもらえません。だから1回目の資料は自己開示に徹して、聞き出せる関係を先に作る。2段階でいきます。

見積もりにも流儀があります。先に出すこと、内訳を明記すること。「動画編集代行5万円」ではなく、カット2時間、特殊演出5時間、時給換算いくら、と分解して書くと納得感が出ます。これも思考の可視化です。

相手がいるマス 相手の状態 提案という装置
漠然とした欠乏感 なんとなく物足りない 課題の言語化
悩みの顕在化 何かを変えたいと思い始めた 選択肢とメリットの提示
手段の選択 動画でやろうと決めた QCDと自社の強み、比較材料
発注先の選択 誰に頼むか迷っている KPI提案と内訳つき見積もり
意思決定 いつ決めるか決めていない 今始めるメリットの提示

データで見る:単価の分布と、悩みの内訳

株式会社ブイストが自社で集計した2つのデータを見ておきます。まず単価で、回答263件の内訳は次のとおりです。

1本あたりの単価 件数 割合
1万円未満 103件 39%
1万円以上3万円未満 97件 37%
3万円以上5万円未満 28件 11%
5万円以上10万円未満 19件 7%
10万円以上30万円未満 11件 4%
30万円以上 5件 2%
合計 263件 100%

3万円未満に200件、全体の76%が集まっています。一方で3万円以上は63件、24%です。この分布そのものが「思考力の差」を証明するわけではありません。案件の予算規模やジャンルなど、複数の要因が混ざっているからです。ただ、単価1万円から5万円の帯で「大事なところ」はAIでは仕上がらない、というのが僕の見方です。この帯こそ判断が価値になる領域だと考えています。

もうひとつが、262名から寄せられた悩み469件(複数回答)の内訳です。

悩みの分類 件数 割合
スキル習得に関する悩み 82件 17%
自信が持てない 80件 17%
成長・成果の停滞 79件 17%
収入・単価 43件 9%
時間の確保 41件 9%
営業への不安 40件 9%
上記以外 104件 22%
合計 469件 100%

上位3つ(スキル習得82件・自信80件・停滞79件)で241件、全体の51%を占めます。注目したいのは、いずれも「操作ができない」とは限らない悩みだという点です。何を作ればいいか分からない、これでいいのか確信が持てない、次に何を伸ばせばいいか分からない――そう読み替えると、判断の問題として現れている可能性があります。ただし、これは解釈のひとつです。

AI時代に、作業と思考はどこで切れるのか

2026年時点でのブイプロの見解ははっきりしています。AIは100%の作業のうち60%くらいは自動でいける。でもそのまま出すとクオリティ的にダメ。カットは間が微妙、テロップは微妙。残りの40%が判断の領域です。

判断の具体例が「間」です。ある質問への沈黙は、言いたくない金額があるときの間かもしれないし、演者がニヤニヤしているなら伝えたくて仕方ない間かもしれない。言葉のヒゲは削り、意味のある間は残す。その判断ができることが価値になる。無音を一律にカットする発想では、この差は扱えません。

市場構造は、自動販売機型のスキルとドライバーが必要なスキルで分けて考えています。動画編集は後者。ドライバーのセンスやテクニックに対価が払われる仕事です。AI編集ツールの提供事業者と対談したときも、AI編集は量産ゾーン、編集者はお金を払ってでもいい動画にしたいゾーン、という分かれ方で認識が一致しました。

ただ、AIを使えばそれでいいという話でもありません。他人が作った自動化を受け取るだけでは学びになりません。自分の業務を洗い出し、どのツールが使えるかを考え、行動する。AIによる自動化がどこまで現実的かは、AI全自動化という話の実際もあわせてご覧ください。

工程 AIが担いやすい部分 人の判断が残る部分
文字起こし・テロップ 認識と一括流し込み 意訳、載せる/載せないの取捨
カット 無音の機械的な除去 残す間の選別、タメと振りの保護
素材・図解 画像や図の生成 その場面に必要かの判断
音まわり BGM生成、音量の一括処理 与えたい印象からの選曲
構成 案の列挙 役割の決定と情報の引き算

30日で思考力を鍛える、週別の設計

最後に設計例を置きます。前提は、感情で作業しないという原則です。感情に任せると、落ちている日に手が止まりますから。毎日60点を出し続けて、0点の日を作らない。ルーティンを決めておけば、60点はやがて70点に上がります。

期間 やること アウトプット
1週目 好きな番組を1本、完コピの意識でトレースする 「なぜこの処理なのか」を10項目書き出す
2週目 過去作を1本、全カット・全テロップに意図メモをつける 意図を書けなかった箇所のリスト
3週目 過去に受けた指摘をすべて集めて基準に翻訳する セルフマニュアル(チェック項目化)
4週目 想定クライアント向けに提案を1本書く QCDとKPI、内訳つき見積もり
毎日 作業前に「この動画の役割」を1行で書く 役割メモの30日分

2週目の課題は、僕が講義で投げている問いをそのまま行動にしたものです。「自分が作った動画で10時間語れますか」。全カット・全テロップに意図を持てるか。ここが作業員と職人の分水嶺だと思っています。書けなかった箇所が、そのまま伸びしろです。

よくある質問

思考力は才能や学歴で決まってしまいますか?

入り口の時点で差があることは、率直に認めます。僕自身、始めた時点では思考力で勝てませんでした。一方で、テレビやYouTubeを長く見てきた視聴体験までが実力の材料になります。思考力は才能ではなく、積み上げの対象です。

未経験ですが、操作より先に思考を鍛えるべきですか?

順序としては操作が先です。「0→1は操作方法、1→10は思考力」という段階分けがそれを示します。まずはディレクターのチェックを通過できる「現場レベル」を目指します。チェック項目は、誤字脱字と表記統一、クリップの先端を揃えること、カットのテンポ、テロップの意訳、音量バランス、場面に合った演出、デザインの統一性、マニュアル遵守の8つです。

AIを使うと思考力が落ちませんか?

使い方によります。問題視しているのは、他人が作った自動化を受け取るだけの状態です。自分の業務を洗い出し、どこにどのツールを当てるかを考えて組むなら、その工程自体が思考の訓練になります。逆に、ワンクリックで完結する手順だけを集めると、判断の機会が減ります。

思考力を鍛えれば単価は上がりますか?

単価が上がることを保証するものではありません。単価は案件の予算規模、ジャンル、交渉、実績など複数の要因で決まります。上で見た集計でも、263件のうち3万円以上は63件(24%)と分布に幅があります。言えるのは、判断を代行できる人は置き換えにくい立場になりやすい、という構造の話までです。

フィードバックをくれる相手が身近にいません。どうすれば?

3つの手段のうち「買う」が使えないなら、まず「自家発電」から始めるのが現実的です。完コピと判断理由の書き出しは1人でもできます。そのうえで、自分の解釈が合っているかを検証したくなった時点で、フィードバックを受けられる環境を検討する、という順番です。検証できないまま量を重ねると、誤った解釈が固まるリスクがあります。

修正が多いと落ち込みます。どう受け止めればいいですか?

修正指示は、発注側が持つ基準の開示だと捉えるのが実務的です。僕にとっても、修正をくれる相手はありがたい存在です。避けたいのは、同じ指摘を繰り返すことと、次の行動を示さないことの2点。指摘を基準に翻訳してストックし、返信では期日と動作で答える。

動画編集を「作業」ではなく「思考」の仕事として捉え直す考え方は、動画編集スクール ブイプロの公式LINEでも発信しています。実務での判断の言語化や現場の基準に関心がある方はご覧ください。

免責事項:本記事は動画編集の実務における考え方と手順を解説したもので、特定の収入・成果・案件獲得を保証するものではありません。記載した単価263件および悩み469件(262名・複数回答)の集計は株式会社ブイストが自社で収集した回答に基づくもので、市場全体の傾向を示すものではありません。割合は小数第1位を四捨五入しています。『ドラえもん』への言及は講義内で用いられている比喩の説明であり、作品の表現を引用するものではありません。成果には個人差があります。

🎁特別なお知らせ🎁

僕は母の重い病気を救いたいと思い、動画編集を始めました。

編集の基礎スキルしかないまま現場に出て、運良く仕事が取れたものの、納期までに編集ができず、クライアントに迷惑をかけて疲弊しました。

クライアントにも迷惑をかけて、ブラックリスト入りしたこともあります。

僕と同じ経験をする人を減らして、現場で重宝される動画編集者を増やしたいと思い、現場で本当に役立つ発信を日々行なっています。

現場で重宝される動画編集者を増やすプロジェクトの一つとして、累計1600人が受け取った「AI×動画編集 全自動化パック」をプレゼントします。

AI×動画編集 全自動化パック 特典①〜⑤

このパックには5つの特典が付属しています!

特典①「動画編集フルオートメーション講座」
編集速度2倍・クオリティ3倍・単価5倍を実現する方法を体系的に解説した動画講座。AIを正しく使うための編集スキルからAI自動化の実務フローまで全部入り。

特典②「カット・テロップ自動化ツール」
作業時間80%削減。今カットとテロップに使っている時間の大半が消えます。その時間を演出やクオリティアップに回せたら納品物がどう変わるか、想像してみてください。

特典③「アニメーション自動生成AI」
Premiereのプリセットでは絶対に作れなかったレベルのテロップアニメーションが、プロンプトを打つだけで出てくる。

特典④「高品質図解自動生成AI」
プロンプト1行でプロのデザイナーが作ったような図解が出てくる。編集時間を1/5に。

特典⑤「デザイン生成プロンプト」
サムネ・テロップベース・右上テロップ、実際にクライアントワークで使っているプロンプトをそのまま渡します。

受け取り方法は、以下のリンクからLINE登録を行なうと、配布されます。

P.S. 7年前の疲弊する前に欲しかった…

▼LINE登録はこちら(AI×動画編集 全自動化パックを受け取る)