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動画編集の商談の流れ|30分の型とヒアリング項目・トーク例

公開日: 2026年9月1日 最終更新: 2026年9月12日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表
商談30分の型と ヒアリング項目

はじめまして。この記事を書いた人です

山田一真(カズマル)動画編集スクール「ブイプロ」代表/株式会社ブイスト

  • 2019年12月、報酬500円の動画編集案件から個人で仕事を始める
  • 個人受注から法人・代理店の案件へ広げ、2022年に株式会社ブイストを設立
  • 2025年8月、同社の株式を株式会社エフ・コード(東証グロース・9211)へ譲渡。現在も福岡を拠点に運営を継続
  • 受講生から寄せられた成果報告 延べ555件・実人数380名を自社で集計し、内容を公開している

この記事を書ける理由:この7ステップは、ブイプロで受講生の商談ロープレに毎回フィードバックしながら削り出した型です。僕は商談を受ける側も、編集者を採用する発注側も通ってきたので、「言ってはいけない一言」まで具体的に書けます。

動画編集の商談は、自分のスキルを売り込む場ではありません。相手の目的を聞き出し、その目的を達成する道筋を提示し、次に会う日を決める場です。30分の商談なら、こちらが話す時間より、相手に話してもらう時間のほうが長くなるのが正常。売り込みを我慢できた人ほど、二回目に呼ばれます。

この記事でわかること

  • 30分の商談を、何分で何をするかまで分解した時間配分表
  • 商談前に調べておく4点と、そのままコピーできる事前確認の連絡文
  • アイスブレイク・ヒアリング・予算確認・次回アポで使える質問文とトーク例
  • 「初回でクロージングしない」ほうが結果的に受注に近づく理由
  • 相手の「検討します」「忙しくて」が本当は何を意味しているかの翻訳表
  • Zoom商談の準備チェックと、商談が決まらないときの原因の切り分け方

商談は「売り込む場」ではなく、相手に喋ってもらう場

動画編集者が商談でいちばんやりがちな失敗は、開始5分で資料を開き、実績を並べ、見積もりを出して「ご検討ください」で終わることです。きれいに終わったように見えて、ほぼ返事が来ません。

僕がブイプロの営業指導で繰り返し言っているのも、まずここです。商談冒頭でいきなり資料を開くな。20分ヒアリングして、悩みのアンサーとしてサービスを説明する。提案は自分の説明ではなく、相手の思考を一つ先へ進める装置です。相手が今どこにいるかを見立てないまま読み上げても、橋はかかりません。

あと、アポだけが商談じゃないです。既存客との雑談も、全部商談。カレンダーの30分だけが勝負ではありません。

そもそも、商談はどこで発生しているのか

ブイプロ受講生の成果報告から集計した「取れた案件の獲得経路」(主要8経路・延べ270件)は、以下の分布でした。

獲得経路 件数(延べ)
クラウドワークス 76
知人・友人からの紹介 56
その他のコミュニティ(交流会・ディレクター繋がり等) 49
X(Twitter)の募集投稿・DM営業 26
ブイプロ内コミュニティ・案件募集部屋 24
ランサーズ 18
企業へのメール営業 12
Indeed・Wantedlyなど求人媒体 9

紹介・コミュニティ経由が合わせて105件。多くの商談はすでに接点がある相手との「ちょっと話しましょう」から始まっているということです。この記事の型は、その場面にもそのまま使えます。なお同じ成果報告のうち単価を回答したのは263件で、数字は回答者の申告に基づく分布であり、特定の収入を保証するものではありません。

商談は事前準備で9割決まる

当日の話術より、事前準備のほうが結果に効きます。商談は事前準備で9割決まる。想定質問・相手企業・市場を、数字で話せるまで調べる。公開している模範商談も、架空の案件を「3日かけて本当にチャンネルを1つ立ち上げるレベルまで」調べ込んで作りました。僕が駆け出しの頃に案件を継続にしてもらえたときも、やったのは参考動画を少なくとも40回から50回は見て、スクショまで取ることでした。調べる量は、たぶんいちばん再現しやすい差です。

調べるもの そこから分かること 商談での使い道
相手のホームページ 事業内容・規模・予算感 提案する体制と金額のレンジを決める
プレスリリース 注力領域=予算が降りている場所 アイスブレイクの話題/提案の切り口
担当者個人のSNS 人柄・関心・発信のトーン 話し方の温度合わせ
課題仮説 「たぶんここで困っている」の当たり ヒアリングで確かめる質問に変換する

加えて社名の正確な表記は必ず確認を。「株式会社◯◯」か「◯◯株式会社」か。間違えると準備がすべて台無しになります。

調べても分からない点は、アポの前に確認していいです。この連絡自体が信頼を一段進めます。

【事前確認メールの文例】
「◯月◯日のお打ち合わせ、楽しみにしております。当日により具体的なご提案をお持ちしたく、事前に2点だけ伺えますでしょうか。
1. 現在、動画は月に何本ほど制作されていますか(おおよそで構いません)
2. 今回、社内でどなたが動画のご担当をされていますか
お答えいただける範囲で問題ありません。いただいた内容をもとに、御社向けの案をお持ちします。」

提案資料は相手専用に作り替えます。全員分を先に作る余裕はないので、アポが取れた企業にだけ濃く作る

30分商談の時間配分表

提案を持参する形の30分商談は、以下の7ステップに分解できます。流れを組み立てられないうちは、この順番をそのままなぞってください。それだけで60点の商談になります。

経過時間 ステップ この時間の目的
0:00 – 0:01 ①時間をもらったことへの感謝 二言目に必ず言う。ここを飛ばさない
0:01 – 0:03 ②指針提示(アジェンダ宣言) 主導権を握り、最初のYESをもらう
0:03 – 0:08 ③自己紹介(4項目のみ) 先にこちらが開示し、相手を喋りやすくする
0:08 – 0:18 ④ヒアリング 相手の目的を聞く。ここが最長になる
0:18 – 0:26 ⑤提案 ③を肉付けする。ここで受注率がほぼ決まる
0:26 – 0:29 ⑥ディスカッション 率直な感想と、案件の有無を確認する
0:29 – 0:30 ⑦ネクストアクション 次にやることと日付を決める

ヒアリング10分に対して提案8分。多くの人はここが逆なんですよね。こちらが主に話すのは③と⑤の13分だけで、残り17分は相手の時間です。

なお、相手がまだ発注を決めていないカジュアル面談では配分を変えます。感謝+指針提示3分/自己紹介4分/ヒアリング20分/次回提案の約束3分。提案はその場ではやりません。理由は後述します。

ステップ別:そのまま使える質問文とトーク例

①時間をもらったことへの感謝(1分)

アイスブレイクは天気の話でなくていいです。事前に調べたプレスリリースの話題のほうが「調べてきた」が伝わります。

【トーク例】
「本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。30分いただいているので、しっかり持ち帰っていただけるようにお話しさせてください。」
「先日のプレスリリース、拝見しました。◯◯の領域に力を入れられているんですね。差し支えなければ、あれは社内でもかなり大きな動きなんでしょうか。」

②指針提示(2分)— 最重要かつ、いちばん飛ばされている

これをやらないと、資料を開いた瞬間に「急に台本を読み始めた」と思われます。説明をただ浴びせられると、相手は不安になるからです。

【トーク例:ほぼこのまま使えます】
「本日ですが、まず私がどういう者で、どんなサポートをしているかを自己紹介させていただいて、そのうえで、なぜ今回お時間をいただけたのかを簡単にお聞かせいただき、その後、実は御社とお話しするにあたって提案を作ってきているので、それをぶつけさせていただいて、最後に、その提案がどうだったかをディスカッションさせていただく、という時間にしたいと思っています。
御社的に『こういう話がしたい』はありますか。なければ、今の流れで進めてしまおうと思うのですが。」

最後の一言で最初のYESを取ります。ここで商談はもう始まっています。

③自己紹介(5分)— 喋るのは4項目だけ

# 項目 言い方の例
1 何がやりたいのか 「御社チャンネルの、毎月8本の制作をやらせていただきたいと思っています」
2 何が得意なのか 「ジャンルでいうと採用・研修まわり、演出でいうと実写のテンポ編集が得意です」
3 いくらなのか 「1本15,000円ほどで編集は承れると思います」
4 どれくらいのスピードか 「素材受領から中3日で初稿、修正2ラリー込みで1週間見ていただければ」

逆に、やってはいけない自己紹介は実績の羅列・起業の経緯・活動年数・スクール自慢の4つ。聞かれてもいないことを喋ると、相手はZoomの横で内職を始めます。金額を先に具体的に言うのは度胸試しではなく、相手が「考えることができる」ようにするためです。見積もりの内訳まで書く流儀は動画編集のKPI提案で扱っています。

④ヒアリング(10分)— 本質的に聞きたいのは1問

ヒアリングは質問攻めではなく、いい提案を作るためのものです。絶対に外せない質問は1つだけ——「なぜ今日この場に来ていただけたんですか」=相手の目的。目的さえ聞ければ、それを達成させる提案を言えば終わりです。③で先に開示しているので相手も答えやすい。営業では先に相手に言わせたほうが、後から合わせられます。以下は余裕があれば埋めます。

聞くこと そのまま使える質問文 答えてもらえなかった時の代替
目的(必須) 「なぜ今日この場に来ていただけたんですか」 「動画で、いちばん解決したいことは何ですか」
ニーズ 「今、動画まわりでいちばん手が回っていないのはどこですか」 「今の体制で、誰が何をやられていますか」
予算 「他社さんだと、どれくらいの単価感で出されていますか」 「仮にこの金額を超えたらNG、のようなラインはございますか」
開始時期 「いつ頃から動かしたい、というイメージはありますか」 「社内で次に動画の話が出るのは、いつ頃になりそうですか」
競合・比較対象 「今、他にもお話を聞かれている会社さんはありますか」 「過去に外注されて、うまくいかなかったことはありますか」

予算の聞き方:クッション言葉で警戒を解く

いきなり「ご予算はいくらですか」と聞くと、「答えたら、その範囲の一番高い金額で売り込まれる」と警戒されます。だからクッションを置きます。

【クッション言葉の例】
「あくまで仮で、暫定で構わないのですが、◯◯さん的にはどうですか。」
「後で変わっても大丈夫なので、今の時点では1本いくらぐらいかな、はございますか。」
「仮に、この金額を超えたらNG、のようなラインはございますか。たとえば1本2万・3万を超えると社内では厳しい、といった感じだったりしますか。」

自分から先に安値を言わないこと。相場の中〜上で出して、「その代わり修正は◯回まで込み・納期◯日」とセットで提示します。安さで入ると、安い人として固定されて値上げできなくなります。僕も1本5,000円が単価の限界だった時期があって、そこから抜けるのに時間がかかりました。

⑤提案(8分)— ③の4項目を肉付けするだけ

提案は新しい話をする時間ではなく、自己紹介で置いた4項目に金額の内訳・クリエイティブの具体・実績を足すだけです。伝えるべき軸は3つ——Quality(品質が他より高い)×Cost(品質に見合う、やや割安感)×Delivery(納期。いい動画が安くても納品が半年先なら買われない)。

そして「動画編集代行5万円」という書き方はしません。「カット2時間+特殊演出5時間×時給2000円=3万円」のように内訳を書くと納得感が出ます。編集内容も「お弁当のオードブルです」で終わらせず、エビフライ・コールスローと中身まで話せるようにしておく。想定問答も先に用意します。

聞かれること 誠実な返し方
「この数字の根拠は?」 「過去に担当した案件の平均値です。夢物語ではなく、平均を取っています」
「こんなに順調に伸びるものなんですか?」 「率直に申し上げると、その通りに進むとは限りません。下回る月も上回る月もあります。ただ、毎月レポートと振り返りMTGで改善していきます」
「できますか?」(自信のない領域) 「そこは現状できません。ただ、◯◯であれば対応できます」=盛らない

見込みが薄そうな相手でも同じです。数値を調べて持参し、褒めてから課題を聞き、提案を3つ出して選ばせ、いちばんハードルの低い入口から提示する。「まずサムネイルの改善だけ」でいいんです。

⑥ディスカッション(3分)— 2択で聞かない

質問はオープンに。「いかがでしょうか、やりますか?」ではなく「率直に、聞いてみてどうでしたか。」。そして意外と抜けがちなのが「そもそもなんですが、この仕事自体、御社にありますか。」——案件の有無を確認しないまま提案を続けても、時間が消えるだけです。ここで「お願いしたい」が出たなら、あとは「やります」と言い続ければ受注になります。

⑦ネクストアクション(1分)— 日付で確定する

【トーク例】
「本日のご提案、社内で共有いただく形になりますでしょうか。差し支えなければ、決裁の会議はいつ頃になりそうですか。」
「では、会議の翌日までにこちらから一度ご連絡を差し上げますね。もし社内でご説明されるようでしたら、そのまま使える形の資料をお送りします。」
(案件がまだない場合)「では来週、本日の内容をまとめてメールでお送りします。そのうえで、来月あたりにまた30分いただけたら嬉しいです。」

なお、相手の言う「1、2週間後に返事します」は、ほぼ全員が忘れます。忘れられた頃にこちらから連絡する前提で設計しておきます。

初回でクロージングしない、という判断

ロープレのフィードバックで僕が最も強く指摘したのは、テクニックの不足ではありませんでした。初回のカジュアル面談で提案・クロージングをやろうとしている。提案は2回目3回目。フェーズ1の信頼獲得が足りていない。つまり順番の間違いです。受注までには段階があります。

段階 そこで起きていること
0. 認知 あなたが動画編集者だと知られる
1. 信頼獲得 「この人に任せてもよさそう」と思われる
2. 相手が自己開示 「実はこういうことに困っていて」と話してくれる
3. 提案を聞いてくれる 開示された内容に対して、提案として成立する
4. 具体的に考えてくれる 時間を取って社内で検討してくれる

1と2を飛ばして提案するから、「見積もりください」「安くしてください」「検討します」で終わるんです。

もうひとつ、初回で信頼を取るのに必要なのは上手な説明ではなく人として喋ることです。ロープレの指摘は手厳しいものでした。「今日のあなたは、人というより正しいことを言おうとするロボット。聞かれたらこう答えれば問題ない、というアウトプットを出すAIと喋っている感じだった」。対処法は、嘘ではない範囲で自分の夢を語ること。「3年後までに映像制作会社を法人化したい。自分の作った動画が駅で流れて『これ俺が作った』と誇れるものを作りたい」——こう話すと“人”として見てもらえます

質問の質も同じです。「予算はいくらか」「いつ発注か」だけを並べると、取引先候補としてしか見られません。「なぜ今回、募集を出されたんですか」「どういう人が来たら嬉しいですか。その人になれるよう頑張ります」と聞く。相手の関心に踏み込む質問のほうが、情報も信頼も取れます。

誤解のないように書くと、「初回でクロージングしない」は「初回で何も置いてこない」ではありません。提案は置いてきます。置いてこないのは契約を迫る一言だけ。そして次回の日付を取る。それが初回の合格ラインです。

よくあるNG対応と、正しい対応

場面 よくあるNG対応 正しい対応
商談の冒頭 いきなり資料を画面共有して読み上げる 感謝→アジェンダ宣言→自己紹介の順に置き、最初のYESを取る
見積もりの書き方 「動画編集代行 5万円」の一行 工程×時間×時給で内訳を書き、修正回数と納期をセットにする
予算の確認 「ご予算はいくらですか」と直球で聞く 「暫定で構わないのですが」とクッションを置き、NGラインから聞く
できない依頼 「できます」と言ってしまう 「そこは現状できません。ただ◯◯なら対応できます」と正直に切る
商談の締め 「ではご検討ください」で終える 決裁会議の日を聞き、その翌日に連絡する約束まで取る

相手の言葉を、そのまま受け取らない

相手の言葉 本当の意味 その場での一手
「検討します」 検討する気はない。その場を切り抜けたい 「差し支えなければ、今の時点で引っかかっている点だけ教えていただけますか」
「忙しくて」 忙しいのではなく、まだ話していいか不安 結論を先に短く言い直し、判断材料だけ置いて撤退する
「とりあえず見積もりを」 まだ信頼されておらず、情報だけ取りたい 条件を確認しながら出す。「◯本/月・修正◯回の前提で作ります」
「社内で相談します」 本当に相談する場合もある。ただし日付がなければ流れる 「そのご相談はいつ頃になりそうですか」と日付を置く

ただし、目的は相手を追い込むことではありません。街で「1杯1000円です」と声をかけられたら、誰でも「忙しいので」と言う。相手が不誠実なのではなく、こちらがまだ信頼を取れていないだけです。やるべきは信頼のかけ直しであって、押し込みではありません。

Zoom商談の準備と注意点

オンライン商談は事故の起きる場所が決まっています。開始前に潰せるものばかりです。

いつ やること 理由
前日 提案資料をPDF化し、共有画面の順番を並べておく 当日にファイルを探す時間がいちばん印象を落とす
前日 ポートフォリオURLの閲覧権限を別アカウントで実際に確認 Googleドライブの権限ミスは頻出。開けない=それだけで信用を失う
当日5分前 入室し、カメラ・マイク・画面共有をテスト。通知は全てオフ 他社名の通知が画面共有に映る事故は致命的
冒頭 「録画してもよろしいですか」と必ず許可を取る 無断録画はNG。許可が出れば振り返りの教材になる
終了後 当日中に議事メモを送る(決めたこと・次回日程・宿題) 速さが信用。翌日になると熱が下がる

評価は日程調整の段階から始まっています。「Zoomできますか」に「はい」とだけ返す人が10人中4人。正しくは承知しました+候補日を多めに提示+URL送付まで一手で終わらせる。ラリー数の多さは、そのままコミュニケーションコストとして判定されます。僕が継続をもらえたときに意識していたことの一番目も、超即レス(全部50秒以内には返した)でした。

商談が決まらないとき、どこを直すか

「商談がうまくいかない」は、原因の場所が特定されていないだけのことが多いです。数字で切り分けると、直す場所は自動的に決まります。送信数が足りないのか、返信が来ない(=件名と「なぜ御社か」の個別性)のか、返信は来るが商談にならない(=ポートフォリオを相手のジャンルへ差し替える)のか、商談には行くが決まらない(=商談の型と価格)のか、1本で終わる(=納品品質とコミュニケーション)のか。

改善の順番も決まっています。①送信数 → ②件名と個別性 → ③ポートフォリオ → ④価格。価格はいちばん最後です。最初に価格を下げると、二度と戻せません。

営業の入口から受注までの全体像は動画編集の法人営業7ステップ、案件をどこから見つけるかは動画編集の仕事の取り方で解説しています。商談はその中の1ステップです。

受注はゴールではない

受注した瞬間、あなたは比較する側から比較される側に変わります。1社目の初回納品は利益を捨ててでも過剰品質でやる。納品後に必ず「今回の仕上がり、100点中何点でしたか」と聞く——これをやる人がほとんどいません。あとは月1で「今の進行で気になる点はないですか」と自分から聞く。受注後のケアも商談の一部です。

よくある質問

Q. 商談の前にどうしても緊張してしまいます。

A. 緊張の正体は、たいてい「何を話すか決まっていない」ことです。この記事の7ステップを紙に書いて画面の横に置いてください。特に②の指針提示は、ほぼそのまま読み上げても成立します。台本があると、緊張は「読み上げる作業」に変わります。加えて、相手の会社を調べ込むほど「知っている人と話す」感覚になり、緊張は減ります。

Q. 何を聞けばいいか分かりません。質問リストを作るべきですか。

A. リストは作って構いませんが、順番に読み上げると質問攻めになります。必須は1問だけ、「なぜ今日この場に来ていただけたんですか」。ここで出た目的を深掘りするのが本筋で、予算・時期・競合・決裁は流れで拾えたら拾う程度の位置づけです。目的は情報収集ではなく、いい提案を作ることだと覚えておいてください。

Q. 見積もりはその場で出すべきですか。持ち帰るべきですか。

A. 概算はその場で出したほうが話が早いです。自己紹介の段階で「1本◯円ほどで承れます」と言っておくと、相手はそこから逆算して考え始められます。正式な見積書は、ヒアリングした条件(本数・尺・修正回数・納期)を反映して後日で構いません。どちらも工程ごとの内訳を書くこと。金額の一行だけを出すと、値段の比較しかされなくなります。

Q. 断られたら、そこで終わりですか。

A. 終わりではありません。理由の多くは「今は予算がない」「時期ではない」で、あなたが不要という意味ではありません。やることは2つ。その場で「次に動画の話が社内で出るのはいつ頃ですか」と聞いて次の接点の目安を作ること。そして2〜3週間後に件名を変えて一度だけ再連絡すること。

Q. 商談が盛り上がったのに、返事が来ません。

A. 場は和んだけれど「この人は正しいのか」という壁を越えられていない可能性が高いです。確認すべきは4点。相手の課題を解決する提案になっていたか、払う金額に対して何が返るかを示せていたか、相手の会社や競合を事前に調べていたか、盛らずに誠実に話したか。「忙しくなりまして」で音信不通になるケースは、ほぼこのどれかが欠けています。

Q. 相手を動かす心理テクニックは使ったほうがいいですか。

A. おすすめしません。追い込んで取った契約は、納品が始まってから必ず軋みます。この記事のクッション言葉や指針提示は相手を操作する道具ではなく、相手が安心して本音を話せる状態を作るための手続きです。できないことは「できません」と言い、数字は平均値として出して保証しない。この誠実さが、いちばん長く続く取引を作ります。

まとめ

30分の商談は、感謝1分・指針提示2分・自己紹介5分・ヒアリング10分・提案8分・ディスカッション3分・ネクストアクション1分。いちばん長いのはヒアリングで、売り込む時間はどこにもありません。そして当日の出来の大半は事前準備で決まります。相手のHP・プレスリリース・担当者のSNS・課題仮説の4点を埋め、資料を相手専用に作り替える。あとは7ステップをなぞり、初回はクロージングせず、次の日付を取って帰る。目指すのは100点の商談ではなく、60点を毎回外さないことです。

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執筆:山田一真(株式会社ブイスト)

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の収入や成果を保証するものではありません。掲載しているデータはブイプロ受講生の成果報告に基づく回答の集計であり、すべての方に同様の結果を約束するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。

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