動画編集の単価が上がらない2つの原因|安売り競争から抜け出す5つのステップ
動画編集を始めたけれど、
どれだけ難しい編集をしても単価が上がらない。
「これならバイトの方がいいよね」という時給で止まっている。
この記事は、そんな動画編集者に向けて書いています。
よくあるのは、
「編集の基礎を覚える → 営業して案件を取る → 案件を増やして紹介で単価を上げる」
という順番のイメージだと思います。
でも僕がおすすめしているのは、それとは違う5つのステップです。
上の動画で話した内容を、文章で整理しました。
単価が上がらない原因は2つしかない
動画編集を始めた人は、最初はみんなやる気があります。
独学や自己投資で編集の基礎を身につけて、営業に行く。
でも、そこで低単価・低時給の壁にぶつかって、元の生活に戻っていく。
こういう人を、本当にたくさん見てきました。
「基礎は身についた」と自分で判断して営業に行くと、やっぱり単価は低いんです。
お金がもらえるスキルになっていないことが多い。
低単価・低時給で悩む人の2つの原因
- 編集スキルが、そもそも足りていない
- 営業ができず、搾取される側にいる
スキルが低いまま売りに行くのは、効き目の薄い商品を売っているようなもの。
高いお金を出して買ってくれる人は、なかなかいません。
そしてスキルがあっても、売り方を知らないと、どんどん安く使われてしまう。
この2つを順番に解いていくのが、5つのステップです。
動画編集者の5ステップ|基礎のあとにすぐ営業しない
5つのステップ
- ステップ1:編集の基礎を学ぶ(Premiere ProやPhotoshopの操作が分かる状態)
- ステップ2:編集スキルを高める(基礎を「1」から「10」へ)
- ステップ3:ひたすら営業する(数をこなして作業者として仕事を取る)
- ステップ4:営業をちゃんと学ぶ(狙って、体系的に、単価の高い仕事を取る)
- ステップ5:組織化する(ディレクターとして、他の編集者に仕事をお願いする)
ポイントは、ステップ1のあとに、すぐ営業に行かないことです。
基礎の操作ができた段階で取れる案件は、正直、経験を得るための案件にすぎません。
10時間、20時間かけてやっと数千円、という状況が平気で起きます。
だから、基礎を覚えたらまずステップ2でスキルを高める。
スキルが身についてから、ステップ3で売りに行く。
この順番が大事です。
求められる編集スキルは「テレビ番組を再現できる」レベル
じゃあ、どれくらいのスキルが必要なのか。
僕は、テレビ番組を再現できるくらいのスキルが今必要だと思っています。
クラウドワークスで動画編集者を検索すると、ものすごい数のワーカーが出てきます。
そして大体の人が、「基本的な編集ができます」くらいのポートフォリオなんです。
量産型のポートフォリオになってしまうと、
「他の大勢の編集者と、あなたは何が違うんですか」となって、安い人が選ばれる。
これがリアルな状況です。
ディレクターに育ててもらう道は、当たり外れが大きい
ディレクター案件を取って、テンプレや指示書を盗んで成長する。
このやり方も、もちろんありだと思います。
ただ、テレビ番組を再現できるディレクター自体が少ない。
なんとなくディレクターになった人や、案件を横流しするだけの人も多いのが現実です。
丁寧に指示書を書いて、徹底的にフィードバックしてくれる人に出会えたら大きく伸びますが、それはごく一部です。
チュートリアル動画だけでは、実務に届かない
YouTubeのチュートリアルで学ぶのも、間違いではありません。
無料で網羅的に学べるし、分かりやすいチャンネルもあります。
ただ、見ただけで満足して手を動かさなくなりがちです。
カットのやり方は分かったけど、どんなテンポで切ればいいのか分からない。
アニメーションの付け方は分かったけど、どの場面で使えばいいのか分からない。
クライアントの好みに合わせてテイストを変えていく。
実務で求められるのはここなんですが、やり方を学ぶだけではそこまで届かないことが多いです。
上級者との差は「こだわり抜く力」
結論、これに尽きます。
こだわり抜く力。
1フレーム、1ピクセル、カラーコード。
1ミリもずらさないぞ、くらいの気持ちで再現すること。
「完コピできます」と言う人は多いんですが、実際に見てみると劣化コピーになっていることがほとんどです。
パッと見は再現できているように見えても、プロが見ると全然違う。
フォントが違う。
黒い枠にぼかしがかかっていない。
ロゴの位置が少しずれている。
ワイプの位置も、色も違う。
「っぽい何か」では、ダメなんです。
完全再現のためにやること
- 参考動画をタイムラインに読み込み、自分の動画と並べて1フレームごとに時間を合わせる
- 音の波形が完全に一致するところまで、カットを合わせる
- 参考動画を上に重ねて不透明度を下げ、ずれ(ボケて見える部分)がなくなるまで直す
- 色はカラーピッカーのスポイトで拾い、同じ色にする
重ねたときにボケて見えるのは、ずれているからです。
ずれていなければ、ボケません。
初心者っぽさがない動画は、こういう細部が1個1個意識されています。
逆に、できていない動画は、細部へのこだわりのなさが積もり積もったものなんですよね。
ここまでこだわれる人は、本当に少ない。
だからこそ、ここが差になります。
安売りをやめて、搾取されない側に回る
スキルが高まっても、売れなければお金にはなりません。
編集スキルが高くて、コミュニケーションも取れて、撮影や台本もできる。
それなのにクラウドワークスの安い仕事しかしていない人、すごく多いんです。
理由は、営業ができていないから。
みんな、同じ場所にばかり営業しているんです。
お客様は、クラウドソーシングの外にもいる
今すぐ動画を作ってほしくて、自分から募集している人。
これがクラウドワークスやランサーズにいるお客様です。
でもそれ以外にも、お客様になり得る相手はたくさんいます。
- 動画に関する課題は感じていて、自分から情報を集めている企業
- 動画の必要性にまだ気づいておらず、誰も営業していない企業
- 案件はあるけれど、編集者を募集はしていない制作会社や広告代理店
同じ場所に人が集まると、安売りバトルになります。
相場より安く「やります」という人が1人出ると、相場が壊れる。
次はもっと安い人が出てくる。
経験を買おうと思って安く受ける人がいて、それが採用されてしまう。
案件の流れの、一番下で受けない
動画の案件は、まず商品を持っている会社(広告主)から始まります。
広告主が代理店に頼み、代理店が映像制作会社に、制作会社がディレクターに、ディレクターがクラウドソーシングに。
間に入る人がそれぞれ取り分を抜くので、一番下に降りてくるころには、元の金額からかなり小さくなっています。
だから目指すのは、広告主や代理店、制作会社の近くで仕事を受けることです。
副業のときに案件がたくさん来ていた人が、独立したら時間は増えたのに仕事が増えない。
これもよくある話です。
副業のときは、取引先の都合でたまたま案件が多かっただけ。
自分から新しい仕事を取る方法が分からないと、空いた時間を埋められません。
営業力がないと、収入は相手次第になります。
相手から切られたら終わり。
個人で仕事をする今の時代、営業は必須だと思っています。
企業への営業は、メールで
企業に営業するのは怖いかもしれません。
でも、ちゃんと価値のあるものを届けるなら、営業は悪いことではありません。
電話はいきなりかけると相手の時間を奪ってしまうので、基本はメールがいいと思います。
企業にメール営業するまでの流れ
- 自分のアセット(得意な動画の種類など、武器)を書き出す
- 武器をもとに、サービスにする(例:YouTube動画に特化した制作代行)
- サービスを紹介する営業資料を作る
- 企業のメールアドレスを集める
- メールを送り、話を聞かせてもらう機会を作る
最後はディレクターになって組織化する
営業ができるようになっても、まだ自分が手を動かしている状態です。
大きい案件や数の多い仕事が増えてくると、1人ではいずれパンクします。
映画も漫画も、ものづくりは分業が基本です。
動画編集も同じで、たとえばテロップ入れだけを他の編集者にお願いする。
ここから先は、ディレクションの話になります。
ディレクターに必要な3つの力
- 優秀な編集者を見極めて採用する力(選考を複数段階に分ける)
- 誰が編集しても同じ動画になる仕組み(編集マニュアル・案件管理表)
- クライアントと編集者の間に立つコミュニケーション
編集マニュアルを作るには、テレビ番組レベルの編集スキルが必要になります。
ステップ2でスキルを高めておくことが、ここで効いてくるんです。
そして、ディレクターのマネジメント次第で、編集者の働きがいは全く変わります。
丁寧に修正を出して、フィードバックをして、感謝を忘れない。
そうすれば編集者も長く一緒に働いてくれるし、雑な指示を出せば人は離れていきます。
この記事の要点
- 単価が上がらない原因は「スキル不足」と「搾取される側にいること」の2つ
- 基礎を覚えたら、すぐ営業せずにスキルを高める
- 目指すのはテレビ番組を再現できるレベル。差がつくのは、1フレーム・1ピクセルまでこだわり抜く力
- クラウドソーシングの外にもお客様はいる。案件の流れの一番下で受けない
- 最後はディレクターとして、採用・仕組み・コミュニケーションで組織を回す
情報を手に入れただけで満足してしまう、ノウハウコレクターにはなってほしくない。
これは僕自身にも言い聞かせていることです。
自分が5つのステップのどこにいるのかを考えて、一番近いところから一歩ずつ。
この記事が、安売りから抜け出すきっかけになったら嬉しいです。
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カズマル
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P.S. 7年前の疲弊する前に欲しかった…
