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動画編集者の営業は「お客さんの温度」で変える|知らない人が太客になるまでの4つの壁

公開日: 2026年10月9日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表

営業文を何件送っても、返事が来ない。
やっと反応があったと思ったら、低い単価の案件だった。

この記事は、そんな動画編集者に向けて、営業の「考え方」の話を書いています。

動画編集者として、いちばん大事なことは何だと思いますか?

いろんな意見があると思いますが、僕は「売ること」だと思っています。
どれだけ技術を身につけても、売れなかったら仕事になりません。

じゃあ、お客さんにはどうやって仕事をもらえばいいのか。
先に少しだけ言うと、
相手との距離に合わせて、伝えることを変える
というのが、この記事の芯です。

上の動画では、これを物語仕立てで話しました。
この記事では、その中身を文章で整理しています。

返事が来ないのは、相手の「温度」を見ていないから

クラウドワークスやXで案件に応募しても、返事が来ない。
メール営業をしても、雲をつかむような手応えしかない。

こうなってしまう理由は、
クライアントの立場を無視して、自分中心の営業をしてしまうからだと僕は思っています。

スクールや無料の特典でもらった営業文のテンプレートを、少し変えて送るだけ。
これだと、相手に刺さらないのは当然です。

僕自身も最初は、どれだけ営業しても単価2,000円くらいの案件しか取れませんでした。
しかもその1本に10時間くらいかかっていて、
正直、辛すぎてすぐに辞退したことがあります。

そこから行き着いたのが、
「お客さんには温度がある」という見方です。

お客さんには5つの段階がある

お客さんの温度は、人によってバラバラです。
でも、営業が初めての人でもちゃんと動けるように、まずは段階に分けて考えるのがいいと思っています。

お客さんの5つの段階

  • あなたのことを知らない人
  • あなたのことを知っている人
  • あなたに興味がある人
  • あなたに仕事を発注したことがある人
  • 何度も仕事をくれる「太客」

上に行くほど、人数は減っていきます。

営業を頑張る目的は、もちろんお金を稼ぐためでもあります。
でも本当のゴールは、いちばん上の太客と出会うことです。

太客と出会えれば、そのお客さんと深く仕事をして、愛を注いで、その対価をもらう。
クリエイターとして、本当の意味で自立していける。
僕はそう考えています。

知っている人しか周りにいなければ、仕事はもらえません。
発注したことがある人がいても、そこで止まれば単発で終わります。

段階と段階のあいだには、それぞれ超えないといけない壁があります。
ここから、その4つの壁を順番に見ていきます。

1つ目の壁「認知」:知らない人には、まず自己開示

あなたのことを知らない人に、知ってもらう。
ここで大事なのは、自己開示です。

実はこれ、できていないクリエイターがかなり多いです。

開示するのは、たとえばこんなことです。
何をやっている人なのか。
どんなクリエイティブが作れて、何が得意なのか。
どこの出身で、何歳なのか。

動画の物語では、主人公がこんなふうに自己紹介していました。
「25歳で、YouTubeの動画編集が得意です。これまで100本納品してきました。ポートフォリオはこんな感じです」

逆に、営業が下手な人がやってしまうのが、
初めましての相手に「予算はいくらですか?」と聞くことです。

知らない人に予算を聞かれても、答える義理はないですよね。
答えるメリットが、相手には何もないんですから。

予算を聞くのは、興味を持ってくれている人に対してならいいんです。
相手の段階で聞くべきことを、手前の段階の人に聞いてしまう。
これをやると、ただの迷惑な営業になってしまいます。

2つ目の壁「興味」:制作事例と、作ったときの思考を見せる

あなたのことを知っている人に、興味を持ってもらう。
ここで必要なのは「事例」です。

と言っても、成功事例ではありません。
この段階で成功事例をいくら出しても、あまり意味がないと思っています。

出すのは、制作事例です。
クリエイターなので、クリエイティブで語ってください。

「私、こういうのが作れます」
「こんなのを作ってみました」
「こういうのが得意です」

作ったものを見せると、
「この人が作る世界観、面白そう」
と思ってもらえる可能性が出てきます。

全員が興味を持たなくても大丈夫です。
知っている人が100人いて、100人全員が興味を持つクリエイティブなんて作れません。
そのうち30人くらいが興味を持つものでいい。
最後に太客を1人つかまえればいいんです。

そして、制作事例にもう1つ足してほしいのが、
「何を考えて作ったのか」という思考
です。

こんなのを作りました、こんなのも作りました。
それだけだと「作ったから何なの?」となってしまう。
なぜこう作ったのか、こうしたらもっと面白いと思ったのか。
提案でもSNSの投稿でもいいので、思考をセットで伝えてください。

3つ目の壁「発注」:成功事例と、具体的な「告白」

興味を持ってくれている人がいる。
それなのに、発注にはならない。
ここで必要なことは2つあります。

1つ目は、成功事例です。
ここでやっと出番が来ます。

自分が作ったクリエイティブで、どんな成果が出たのか。
お客さんにどう喜んでもらえたのか。
お客様の声も、ここで効いてきます。

知らない人や知っているだけの人に成功事例を出すと、
「あ、この人、営業してきたな」と思われてしまいます。
でも、すでに興味がある人に出すと、「それ、乗ってみたいかも」になるんですよね。

2つ目が、告白です。

「いつも来てくれてありがとうございます。今日はお願いがあります。ぜひ私に〇〇を作らせてもらえませんか」

これ、言えている人が本当に少ないです。

あなたは最後に、いつ告白しましたか?
その営業文は、興味を持ってくれている人に送っていますか?
それとも、あなたのことを知らない人に送っていますか?

ただ、仕事の告白にはコツがあります。
恋愛なら「好きです、付き合ってください」で成り立つかもしれません。
でも仕事は、それだけでは発注してもらえない。

大事なのは、具体性です。

仕事の「告白」で具体的にすること

  • いつまでに(期日)
  • 何をやるのか、何を作るのか
  • 何のために作るのか

恋愛でここまで具体的に言ったら気持ち悪いですが、
仕事の提案では、この3つをはっきりさせた方がいいです。

ちなみに、その場ですぐ発注が決まることは、あまりありません。
たいていは一度持ち帰って考えてもらうことになります。
それでいいんだと思います。

4つ目の壁「太客」:1回の発注で止めないためのギブと改善

1回発注してもらったら、もうやることはない。
……と思いたくなりますが、そうではないんですよね。

クラウドワークスで1回だけ取引したことがある。
Xで1件だけ依頼をもらったことがある。
そんな「友達以上、恋人未満」みたいなお客さん、いませんか?

ここで大事なことも、2つです。

1つ目は、ギブです。

1回仕事をもらったら、指示どおりにやって、満足してもらえたからOK。
そうやって、ギブの勢いを落としてしまう人がいます。
そういう人は、継続の発注がもらえないなと感じています。

動画編集なら、たとえば巻き取りの提案ができます。
「動画編集だけでなく、サムネイルもやらせていただけませんか」というものです。

仕事を巻き取るほど、相手のところに深く根を張れる。
あなたの代わりがいない状態に近づいていく
ので、乗り換えられにくくなります。

動画では、筋トレジムのチョコザップを例に出しました。
筋トレだけでなく、カラオケや自習スペース、ネイルやホワイトニングのスペースまで用意して、ほかのジムに乗り換えにくくしている。
考え方としては、それと同じです。

もう1つ大事なのが、改善思考です。

1件目の納品のあと、お客さんは「ありがとうございました」と言ってくれます。
でも、1件目で相手の意図を完璧にくみ取ることは、まずできません。
お客さんも「これから良くなってくれたらいいかな」と思いながら、お金を払ってくれているはずです。

そこにあぐらをかかずに、こちらから伝えてください。
「今回はこういうミスがありました。次はこうすることで、もっとスピードを上げられると思います」

自分から改善点を伝えると、
「この人は、自分がこうしてほしいと思っていたことを分かってくれている」
と伝わります。
それが、2件目の発注につながっていきます。

そして、さらなる告白です。
恋愛と違って、仕事では同じ相手に何度告白してもいいんです。
「こんな仕事もやらせてもらえませんか」と、どんどん言ってください。

告白を続けていると、どこかで相手の方から
「何か月かかけて、こういうことをやっていきましょう」
と言われる瞬間が来ます。
それが、太客になったときです。

営業の失敗は、温度のミスマッチから起きる

この記事の要点

  • お客さんには「知らない・知っている・興味がある・発注したことがある・太客」の5つの段階がある
  • 知らない人には、自己開示。いきなり予算を聞かない
  • 知っている人には、制作事例と、作ったときの思考
  • 興味がある人には、成功事例と、期日・中身・目的まで具体的にした「告白」
  • 発注したことがある人には、巻き取りのギブと改善の提案、そして何度でも告白

相手の段階に合ったコミュニケーションを取れば、営業は進みます。
逆に、そこがずれると、どれだけ数を送っても届かない。

この考え方は、扱うスキルが変わっても使えると思っています。
だからこそ、テンプレートの言い回しより先に、ここを身につけてほしいなと。

相手がどの段階の人なのかを見ずに、自分の言いたいことだけを送ってしまう。
これは誰でも陥りやすいことなので、自戒も込めて整理してみました。

営業でつまずいたときに、運営としてどう伴走しているかは、ブイプロの評判・口コミ|悪い評判にも運営が全部答えますにまとめています。

この記事が、営業文を送る前に一度立ち止まるきっかけになったら嬉しいです。

カズマル

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