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動画編集の単価を上げる「要件定義」とは|単純作業だけの編集者から抜け出す考え方

公開日: 2026年10月9日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表

動画編集の案件をこなしているのに、単価が上がらない。
1本に何時間もかけているのに、時給にするとびっくりするくらい低い。

この記事は、そんな動画編集者に向けて書いています。

先に言っておくと、原因はクライアントでも、クラウドワークスでもないと僕は思っています。
じゃあ何なのか。
上の動画で話した内容を、文章で整理しました。

「全部クライアントが悪い」と思っていませんか

動画の冒頭で、僕はわざとこんな話をしました。

動画編集スクールにお金を払って、時間をたくさん注いで、技術を身につけた。
クラウドワークスで「あなたの代わりに動画編集を代行します」と応募した。
それなのに、8時間とか10時間かかる作業に対して、
1本2,000円とか3,000円しかもらえない。

「こんなクライアントが世の中から消えてくれたら、動画編集者は安泰なのに」
「単価3,000円で発注してるお前が悪い」
「安く発注してるんだから、修正が多いのは当たり前だ」

気持ちは、すごく分かります。
でも、これは考え方を変えた方がいいです。

僕は普段、動画編集者の方と1対1で話す相談会をやっています。
そこでいちばん多い悩みが、
「スクールを卒業したのに、単価が3,000円を切っていて辛い」
「なんとか納品まで行ったけど、時給が低すぎて疲れてしまった」
というものでした。

相談に来る方の中には、理由をこう考えている人もいます。

よく聞く「単価が低い理由」

  • クラウドワークスが終わっているから
  • ディレクターが中抜きしているから
  • クライアントが予算を出してくれないから

どれも、的を射ていないと僕は思っています。
では、本当の理由は何なのか。

単価が低い本当の理由は「代行している範囲」が小さいこと

結論から言うと、
単価が低くなるのは、代行している範囲があまりにも小さいから
です。

5,000円以下の案件で、動画編集者が実際にやっている作業を細かく見てみてください。

誰かが決めたフォント。
誰かが作ったデザイン。
誰かが決めた指示。
それに従って、言われたとおりに手を動かす。
ほとんどが、この「作業部分」だけの代行になっているはずです。

もちろん、Premiere ProやPhotoshopの操作を知らないとできないので、
形としては「動画編集代行」になっています。

ただ、ふたを開けてみると、
説明書を読んで、そのマニュアルどおりに作業するロボットのような役割になっている。
そういう編集者さんが、本当に多いなと感じています。

ちょっと厳しい言い方に聞こえるかもしれません。
でも、ここに気づけるかどうかで、この先の働き方がかなり変わる気がします。

動画が1本できるまでには、もっと上の工程がある

動画が1本できあがるまでの工程は、実はもっと上流にたくさんあります。

どんな企画にするのか。
どんな画角で撮影するのか。
撮った素材を、どんな構成にするのか。
オープニングからエンディングまで、どう持っていくのか。

このあたりはかなり上流の仕事なので、
いきなりできるようになる必要はないと思っています。

大事なのは、もう少し工程を下ろしたところです。
企画も撮影も決まって、素材もそろって、構成も決まっている。
そこで、テロップも何もない、演者がただ話しているだけの素材が、あなたの手元に届く。

この素材に対して、
どのテロップデザインがいいのか。
どんなテンポでカットすればいいのか。
何でもかんでもジャンプカットすればいい、というわけではないですよね。

チャンネルとして作りたい世界観を決めて、
チャンネルの動画そのものをデザインしていく。
ここが決まって初めて、作業の中身が定義されて、手を動かす人が作業できるようになる
と僕は思っています。

「誰かがあなたの代わりに決めている」部分がある

たとえば、こんなルールです。

動画ごとに誰かが決めているルールの例

  • 演者が怒っているところには、こんな感じのツッコミテロップを入れる
  • ここは赤いテロップにする
  • 並列の項目を説明しているときは、このあたりに帯を出して説明する

こういうルールを考えている人が、上にいるわけです。

5,000円くらいの案件で、このルールを決めるところまで任される案件は、ほとんどないはずです。
つまり、誰かが決めている。

もっと言うと、
誰かが、あなたの代わりに決めてくれている。
もっともっと言うと、
あなたがそこをやっていない、ということなんです。

あなたがやっているのは、全部決まったあとに手を動かすところだけ。
それで「1万円、2万円ください」と言われたら、
クライアントからすると「いやいやいや」という話になりますよね。

クライアント側の気持ちとしては、
「もうちょっと頭を使うところ、デザインを考えるところ、ルールを作るところから入ってくれたら、お金は上げられるんだよね」
という企業さんがほとんどです。

どうでしょう。
今あなたが受けている案件は、どこまでが自分で決めている部分でしょうか。

単価を上げたいなら「要件定義」から入る

ここまでの話をまとめると、
単価を上げたいなら、要件定義から入れるようになればいい
ということです。

要件定義というと難しく聞こえますが、
ここで言いたいのは「何をやるか」「どう作るか」を決める部分のことです。

企画や構成までは、まだ入らなくて大丈夫です。
でも、届いた素材に対して
どんなテロップを入れるのか。
どんなデザインにするのか。
画面をどうレイアウトしていくのか。
ここから入れるようになると、単価は変わってきます。

この記事の要点

  • 単価が低い原因は、クライアントやクラウドワークスより「代行している範囲」の小ささにある
  • 低単価の案件は、誰かが決めたルールどおりに手を動かす作業部分だけになりやすい
  • 企画・構成の手前に、テロップデザイン・カットのテンポ・レイアウトのルールを決める工程がある
  • まずは、この「どう作るかを決める部分」から入れるようになる

高単価の案件はある。違うのは「動画編集代行」の定義

冒頭で言った
「クライアントが悪い」
「低単価で発注するクライアントが消えれば、単価が上がる」
という話は、全部間違っていると僕は思っています。

高単価の案件は、ちゃんと世の中にあります。
それを受けている人も、たくさんいます。

違うのは、「動画編集代行」という言葉の定義です。

低単価で疲れてしまっている人にとっての動画編集代行は、
レールが引かれていて、説明書があって、そのとおりに手を動かすこと。

単価が高い人にとっての動画編集代行は、
素材があって、どんなテロップを入れるのか、どんなデザインにするのか、画面をどうレイアウトするのか。
そこまで含めたものです。

同じ「動画編集代行」でも、中身がまったく違うんですよね。

手を動かすことに一生懸命になるほど、
「どう作るかを決める人」の視点は抜け落ちやすい気がします。
これは動画編集を続けていく限り、僕自身もずっと意識しておきたいことです。

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この記事が、単純作業だけの毎日から一歩抜け出すきっかけになったら嬉しいです。

カズマル

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