動画編集者のサムネ・バナーデザインの作り方|センスより「要素ごとのリサーチ」で決まる3ステップ
サムネやバナー、動画のデザインを頼まれると、手が止まってしまう動画編集者へ。
この記事は、センスに自信がない人に向けたデザインの作り方の話です。
先に結論を言うと、高単価で通用するデザインは、センスではなく「リサーチ」で8割決まります。
上の動画では、うちのスクール(ブイプロ)の講師長に、デザインを作るときの考え方と手順を一通り話してもらいました。
正直、有料の教材で配っていてもおかしくない内容です。
文章で整理しておきます。
動画編集者に今求められているのは「高単価クリエイティブ」
動画編集の界隈では、高単価の案件をどう取るかばかりが話題になりがちです。
でも、その前に大事なことがあります。
高単価の案件が取れたときに、
その報酬を受け取っても恥ずかしくない実力があるかどうか。
ここは、あまり話されていない気がします。
講師長は、高単価で受けられる制作物のことを「高単価クリエイティブ」と呼んでいます。
意味は2つです。
高単価クリエイティブとは
- お客さんが満足する品質のクリエイティブ
- または、売上に直結するクリエイティブ
なぜこれが大事かというと、動画編集のスキルそのものは、前より簡単に身につくようになったからです。
「Excelが使えます」に市場価値がないのと同じで、できる人が増えるほど、作業としての編集の値段は下がっていきます。
Premiere Proに自動カットや自動テロップが入ってきて、
カット・テロップ・画像・BGMを入れるだけの基礎的な作業は、AIがどんどんやれるようになっています。
その中で、少しかじった程度のスキルのまま応募すると、
募集金額より安くします、無料でやります、と自分から単価を下げないと仕事が取れない。
そんな状況で疲れてしまう動画編集者を、本当にたくさん見てきました。
講師長も、デザインを学校で学んだことは一度もないそうです。
最初に作ったサムネは、文字を置いただけのものでした。
デザインの4原則(近接・整列・反復・コントラスト)を知っておくに越したことはないけれど、それを直接学ばなくても、結果の出るクリエイティブは作れる。
これが今回の話の出発点です。
作り始める前に直したい3つの勘違い
そもそも、動画やサムネを作る目的は何か。
答えは、見た人に、こちらがしてほしい行動を取ってもらうことです。
YouTubeのサムネなら、クリックしてもらう。
YouTubeの動画なら、最後まで見てもらって、概要欄からLINEに登録してもらう。
Brainのサムネなら、タップして無料部分の文章を読んでもらう。
セミナー集客の画像なら、申し込みまで進んでもらう。
ここを外すと、よくある3つの勘違いにハマります。
勘違い1:ド派手でギラギラしたものが正義
講師長が作ったセミナー集客の画像で、まったくギラギラしていないデザインのものがあります。
それでも、セミナーに100人以上が集まりました。
派手にするのは目的を果たすための手段で、ゴールではありません。
勘違い2:デザインはきれいに整えないといけない
5分で作った、かなり雑な画像で、セミナーに追加で15人ほど集まったこともあるそうです。
SNSやビジネス系、コンテンツ販売の分野では、きれいかどうかより、結果が出るかどうかが大事です。
勘違い3:クリックさせるためなら盛っていい
サムネを盛りに盛ってクリックされても、中身とズレていれば視聴者はすぐ離れます。
離脱が多いと動画の評価が下がり、おすすめに出る回数も減ります。
さらに、盛った言葉に反応するのは、本来届けたい人とは違う層だったりする。
これもつらいところです。
高単価クリエイティブを作るための3つの土台
1.完コピできる技術
どんなクリエイティブも、基本は「すでにある良いもの」を組み合わせて作ります。
だから、良いものを自分の手で再現できないと、オリジナルも作れません。
カットができる、テロップが入れられる、四角形が作れる。
その程度のPremiere ProとPhotoshopの操作では、良いデザインを思いついても形にできない。
細かいパラメーターまで扱えるところまで、もう一段上げる必要があります。
2.情報量は「取ってほしい行動の重さ」で変える
YouTubeのサムネ、Brainのサムネ、Xのセミナー告知画像。
見比べると、1枚に入っている情報量がまったく違います。
行動の重さと情報量
- YouTubeのサムネ:押したあとは動画を見るだけ。行動が軽いので、情報は少なく端的に。2秒くらいで判断されるので、詰め込むと飛ばされる
- Brainのサムネ:押したあとに、買うかどうかを考えながら無料部分を読む。少し重いので、情報は多めに
- Xのセミナー画像:タイムラインで初めて見た人に、申し込みまでしてもらう。いちばん重いので、何をやるか・参加したらどうなるか・何がもらえるかまで詰め込む
実際、「単価3万円」という文字をドンと置いただけのセミナー画像は、ほとんど人が集まらなかったそうです。
1枚の絵としては格好いい。
でも、何をやるのか、誰に来てほしいのか、来たら何が得られるのかが分からない。
前提が間違っていると、どれだけ時間をかけても意味がなくなってしまいます。
3.どう見せるかより「何を書くか」
デザインよりライティングの方が大事、という話です。
たとえば、動画でやったことをそのままサムネに書くだけだと、誰でも思いつく言葉になります。
それより、中身が気になる言葉に変えた方が反応が変わります。
プレゼント企画のバナーでも、最初は企画名をそのまま大きく書いていました。
でも、そのアカウントを知らない人が企画名だけ見ても、何がもらえるのか想像しにくい。
そこで「プレゼント」と分かる言葉に変えたそうです。
もらえるんだ、と一発で分かるからです。
デザインの作り方は「複数の参考から要素ごとにパクる」
では、実際にどう作るか。
講師長の答えは「パクる」でした。
えっ、と思いますよね。
正確に言うと、複数の参考から、いろいろな要素を少しずつ借りて組み合わせるということです。
全部をゼロから生み出している人は、ほとんど見たことがないそうです。
手順は3つです。
デザインを作る3ステップ
- ステップ1:ヒアリング(目的と要望を聞く)
- ステップ2:参考クリエイティブのリサーチ(要素ごとに探す)
- ステップ3:要素を掛け合わせて作る
ステップ1:ヒアリングで「目的」を必ず聞く
サムネならクリック、YouTube動画ならLINE登録、セミナー画像なら集客、個別相談の告知なら面談の申し込み。
目的があいまいだと、何を書けばいいのかもあいまいになります。
そのうえで、お客さんの要望を深く聞きます。
なんとなくのイメージ、参考にしてほしいもの、色、与えたい印象、ターゲット。
動画の事例では、プレゼント企画の告知動画の冒頭1秒に入れる画像がありました。
Xのタイムラインで流れてきたとき、最初に見えるのは動画の冒頭だけです。
そこで「すごそう」と手を止めてもらうのが目的でした。
要望は、ビジネス系ではあまり見ない新しさがほしい、でもコンテンツ販売らしいギラギラ感は残したい、夏祭りっぽさと秘密っぽさもほしい、というもの。
新しすぎると「自分には関係ない」と思われるので、ちょうどいい塩梅を狙っています。
ステップ2:参考は「要素ごと」にリサーチする
ここが一番大事で、講師長いわくこのリサーチで8割決まるそうです。
1枚だけ見つけてそのまま真似すると、ただのパクリになります。
構図の参考はこれ、雰囲気の参考はこれ、テロップデザインの参考はこれ、と要素ごとに複数集めます。
参考を探す場所
- YouTube:まず競合チャンネル。そこからビジネス系、プログラミング、Webマーケなど周辺ジャンルに広げる
- 公式LINE:コンテンツ販売をしている人だけでなく、大手のお店や美容院のLINEに流れてくる画像もためる
- Brain・note・Tipsなどのサムネ
- X:コンテンツ販売をしている人の固定ポストの画像
- Pinterest:パチンコ、アプリゲームのバナー、ホスト、カジノなどはギラギラ系の宝庫。健康なら優しめ、筋トレならごつめと、ジャンルで検索を変える
- LPのまとめサイト:1ページの中で四角・丸・吹き出しが同じ雰囲気でそろっているので、動画デザインの参考になる
- Amazon:本の表紙や商品パッケージ。文字の配置や囲み方がサムネに使える
- TVer:テレビ番組のテロップやテロップベースは、レベルの高い見本の宝庫
- Canvaのテンプレート、チラシ、本屋・家電量販店・スーパーの売り場
ギラギラ系の参考に共通しているのは、見た人を興奮させて、最終的にお金を使ってもらうことが目的の業界だという点。
目的から逆算して探す業界を決めると、良い参考が見つかりやすくなります。
何を調べればいいか分からないときは、AIに聞くのもありです。
「夏祭り感・秘密感・ギラギラ感を満たす画像を見つけたい。どの業界を調べればいい?」と聞くと、歌舞伎や花火大会のプロモーションなど、検索のヒントが返ってきます。
「秘密感を出せるモノを20個教えて」と聞けば、金庫の扉や鍵穴のようなアイデアももらえます。
ステップ3:要素を掛け合わせて作る
さっきの告知画像は、構図はある参考から、花火は夏祭りのバナーから、赤い帯はゲームのバナーの垂れ幕から、背景の扉はAIに聞いた秘密感のアイデアから、金色のテロップはギラギラ感を出すために、と1枚の中にたくさんの参考が入っています。
動画のデザインでも、テレビ番組からデザインの工夫やレベルの高さを、LPから色味や雰囲気を持ってきて掛け合わせる、という作り方をしています。
構図は同じでも、色味をお客さんの求める雰囲気のLPに合わせるだけで、まったく別物になります。
トンマナを合わせる力は、手を動かした回数でしか育たない
最後に、絶対に必要なことが2つあります。
1つは、Premiere ProとPhotoshopの高い制作スキル。
一つひとつの要素はトレースの積み重ねなので、そもそもトレースできないと劣化コピーになってしまいます。
もう1つは、トンマナを合わせる力。
丸パクリはダメだし、つぎはぎにすると絶妙にズレて「なんか違う」ものになる。
色を変える、形を変える、ゴチャつきを抑える、逆にゴチャつかせる。
この調整は、何度も作って感覚でつかんでいくしかありません。
講師長ですら、今でも何か作れと言われたら、頭を抱えながら作っているそうです。
なんなら「発狂しながら」と言っていました。
それくらい、正解のパターンがない世界なんだと思います。
この記事の要点
- 高単価クリエイティブ=お客さんが満足する品質か、売上に直結するもの
- 目的は「見た人に取ってほしい行動を取らせること」。派手さ・きれいさ・盛りはゴールではない
- 情報量は行動の重さで変える。デザインより何を書くかが大事
- 作り方は、ヒアリング→要素ごとのリサーチ→掛け合わせ。リサーチで8割決まる
- 土台は完コピの技術と、トンマナを合わせる調整力
僕自身も、お客さんに出すものを作るたびに、目的を忘れていないかを確かめるようにしています。
指示どおりにマウスを動かすだけの作業から一歩抜けて、お客さんと一緒に結果を喜べる動画編集者が、少しでも増えたら嬉しいです。
スキルを伸ばす途中でつまずいたとき、運営としてどう伴走しているかは、ブイプロの評判・口コミ|悪い評判にも運営が全部答えますにまとめています。
カズマル
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P.S. 7年前の疲弊する前に欲しかった…
