動画編集の実務力とは「思考力」のこと|誤字・テロップ・カットの修正に隠れた理由と、身につける3ステップ
Premiere ProもPhotoshopも使える。
でも、修正が多い。単価が上がらない。
そんな動画編集者へ。
よく「動画編集者には実力が足りない」と言われます。
じゃあ、実力って何なのか。
僕の答えは、発注者が求めているものを納品する力です。
そしてその中身は、操作方法ではなく「思考力」だと思っています。
上の動画は、セミナー形式で話した講義です。
この記事では、その中身を文章で整理します。
ギラギラのサムネが作れても、稼げるわけではない
動画の冒頭で、ギラギラした派手なサムネイルを4枚見せました。
正直、これは現場ではほとんど使えません。
特定の業界でしか求められないデザインです。
お客さんに提案しても、採用されることはほとんどないと思います。
大事なのは、作り方を知っていることではありません。
派手なサムネが作れるだけでお金になるなら、とっくにみんな稼げています。
実務力が足りないと、こうなりがちです。
実務力が足りないときに起きること
- 案件を取ってしばらくたっても、単価が上がらない
- 安い案件の量だけが増えて、寝る時間を削っている
- 修正の指示が止まらない
- 自分を低く見積もって、相場より安い案件にしか応募できない
こういう人をたくさん見てきました。
足りないのは、操作方法ではなく、考える力なんです。
思考力が身につきにくい3つの理由
テロップの入れ方、カットのタイミング。
こういう操作方法は、誰がやっても差が出ません。
正しい場所にマウスを動かして、ボタンを押すだけだからです。
でも、考える部分には差が出ます。
理由は3つあります。
1.それまでの人生で差がついている
学歴や仕事の経験、もともとの考え方が、思考の部分には大きく影響します。
僕も偏差値が高くない大学を出て、21〜22歳で動画編集を始めました。
周りには、いい大学を出た人や大企業をやめて始めた人がいて、「これは勝てない」と思っていました。
2.チュートリアル動画では学べない
チュートリアルは「この数値をいじるとこう変わります」という話です。
なぜこのデザインにするのか、お客さんが何を求めているのか、という話は出てきません。
3.現場に出ても、理由は教えてもらえない
発注者は「ここを直してください」とは言ってくれます。
でも、なぜ直すのかまでは、なかなか教えてくれません。
映画やテレビ番組でも、なぜこの色にしたのか、なぜこの脚本にしたのかは語られませんよね。
考えは、クリエイターの宝物だからです。
教える義理もありません。
言われたところを直すだけだと、実務力がついているように見えて、教科書どおりに動くロボットの力が上がっているだけ。
僕も最初はそうでした。修正をたくさんもらって、実際に一度クビになっています。
ステップ1:よくある修正の「理由」を知って、思考を盗む
よくある修正の裏には、こんな理由が考えられます。
誤字脱字を直す
誤字があると、話している人から専門性や知性を感じてもらえなくなります。
表記がばらばらだと、見る人は無意識にストレスを感じて、集中が切れる。
固有名詞を間違えれば、ブランドのイメージも下がります。
テロップとカットの切り替えをそろえる
テロップが1フレームだけはみ出している、と言われたことはありませんか。
切り替えを同時にすると、画面の変化がはっきりして、見る人を刺激できる。
ずれがあると、そこに無意識のストレスが生まれます。
気持ちいいリズムで、飽きさせないための工夫です。
カットのテンポを上げる
無音や言い間違いを切るだけでは足りないと言われるのは、時間あたりの情報量を増やして集中を保つため。
時間がない人にも見てもらうためでもあります。
テロップを要約する
話したことをそのまま全部文字にせず、短くまとめる。
すぐ理解できて記憶に残りやすいし、画面もごちゃつかない。
音を出さずに見る人にも伝わります。
画像をレタッチして背景になじませる
Photoshopで人物の質感を整えて、背景になじませる。
見た目がかっこいいからだけではありません。
陰影をはっきりさせると、画面から重厚感が伝わり、話している内容まで重みのあるものに感じてもらえる。
そういう意図があります。
ちなみに、Photoshopを使うのも「Photoshopが稼げるから」ではありません。
お客さんが求める、見込み客の心が動くデザインを作ろうとしたら、Photoshopが必要になるだけ。
あくまで手段です。
テクニック自体は聞いたことがあっても、なぜそうするのかは初めて知った人もいると思います。
この理由を1つずつ自分の中に貯めていくのが、思考を育てることです。
貯め方は3つあります。
自分で考えて作って反応を見る。いろいろな案件を経験して盗む。
そして、上の人からフィードバックをもらう。
最後の方法が一番お金はかかりますが、一番早いです。他人の頭の中を、そのままもらえるからです。
ステップ2・3:技術を追いつかせて、自分で考えて作る
考えが貯まって、お客さんが何を求めているか分かっても、作る技術がなければ届けられません。
僕はよく、鹿肉のステーキで例えます。
相手が誕生日に鹿肉のミディアムレアを食べたいと分かっていても、焼き方を知らなければ出せない。
そして、牛肉のステーキを出されるのが一番悲しいんです。
全然違うものより、「ちょっと違う」が一番つらい。
なので技術の練習は、テレビ番組のテロップなどを完全にコピーするのがおすすめです。
お手本を隣に並べたり、上に重ねたりして、1フレーム、1ピクセル、色のコードまで合わせる。
そこまで来たら、最後は自分で考える段階です。
伸びているチャンネルの編集を見て、「ビジネスマン向けに洗練された印象にしているな」「難しい話だから図で補っているな」と考える。
そして、その考えをもとに自分で作ってみる。
うちのチャンネルのサムネイルを作ってもらったときも、僕が伝えたのは「見たことのないデザイン」「界隈から離れすぎない」「夏っぽさ」「秘密っぽさ」の4つだけでした。
その言葉から形にできる人が、思考力のある人だと思います。
ブイプロの運営について、気になることがある人はこちらにまとめています。
ブイプロの評判・口コミ|悪い評判にも運営が全部答えます
考えが自分の中に貯まっていくと、いつかお客さんの考えに追いつく日が来ます。
一発で「いいね」と言われる動画が作れるようになる。
テクニックを追いかけるより、なぜそうするのかを貯めていく人が増えたら嬉しいです。
カズマル
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