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動画編集の単価が人によって違う理由|商流とマージンの仕組み

公開日: 2026年8月31日 最終更新: 2026年9月12日 執筆: 山田一真(カズマル)|株式会社ブイスト代表
単価が人によって違うのは 商流のせい

はじめまして。この記事を書いた人です

山田一真(カズマル)動画編集スクール「ブイプロ」代表/株式会社ブイスト

  • 2019年12月、報酬500円の動画編集案件から個人で仕事を始める
  • 個人受注から法人・代理店の案件へ広げ、2022年に株式会社ブイストを設立
  • 2025年8月、同社の株式を株式会社エフ・コード(東証グロース・9211)へ譲渡。現在も福岡を拠点に運営を継続
  • 受講生から寄せられた成果報告 延べ555件・実人数380名を自社で集計し、内容を公開している

この記事を書ける理由:末端で受ける側も、間に立って下へ流す側も両方やりました。2万円で受けた案件を5,000円で流し、席ごと失ったのも僕です。マージンの分解は、受講生263件の単価データと自社の実務から起こしています。

同じ長さ・同じ内容の動画を編集しているのに、1本5,000円の人と1本5万円の人がいます。差の正体は、スキルの差だけではありません。動画編集の単価は「商流(発注の流れ)のどの位置に立っているか」でほとんど決まります。上流で10万円だった案件が各階層でマージンを抜かれながら下りていき、指示書が完成しレールが敷かれた状態で末端に5,000円で届く。これがこの業界の基本構造です。

単価が上がらないとき、多くの人は「編集技術が足りないからだ」と考えます。技術はもちろん必要です。ただ、技術を磨いても単価が動かないことがあるのは、値段を決めているのが技術ではなく位置だからなんですよね。だからここでは、商流を階層ごとに全部ばらします。

書いているのは、動画編集スクール「ブイプロ」を運営する株式会社ブイストの山田一真です。僕は末端で受ける側も、間に立って下に流す側も両方やってきました。後半では、その流す側でやらかした話も書きます。

この記事でわかること

  • 動画編集の商流(発注元→広告代理店→映像制作会社→ディレクター→編集者)の全体地図
  • 各階層でいくら抜かれ、その差額が「何の対価」なのかという中身の分解
  • 単価10万円の案件が末端で5,000円になるまでのモデル試算
  • 受講生263件の単価データが示す、単価分布の実際の形
  • 案件の獲得経路8種類(延べ270件)と、経路ごとの商流上の位置・単価傾向
  • 下請けポジションの正当なメリットと、そこに留まってよい人・時期
  • 上流に行くほど何が求められるかの一覧と、上流に上がるための実践5ステップ
  • 上流に上がった人がハマる落とし穴

1. 動画編集の商流はこうなっている

まず全体像です。企業がPR動画やYouTube動画を作るとき、お金は次の順で流れます。

発注元(広告主・事業会社)→ 広告代理店 → 映像制作会社 → フリーランスのディレクター → 2次・3次・n次の請負 → 実作業者

すべての案件が全階層を通るわけではありません。事業会社が直接フリーランスに頼むこともあります。ただ、予算が大きい案件ほど階層は増えます。テレビ番組の多くが外部のフリークリエイターによって作られているように、映像業界はもともと外部パートナーで成り立っている産業で、階層構造そのものは欠陥ではなく機能です。問題は階層があること自体ではありません。自分がどの階層にいるかを自覚しないまま、その値段を受け入れてしまうことです。

階層 主なプレイヤー 担っている機能 負っているリスク
発注元 広告主・事業会社・店舗 予算を出す。動画で達成したい目的(売上・採用・認知)を持つ 投資が回収できないリスク
広告代理店 総合代理店・専門代理店 企画・戦略設計・媒体運用・数字責任・発注元との窓口 成果が出なければ契約を失う
映像制作会社 制作プロダクション 制作全体の設計・撮影・品質保証・スタッフ手配・請求 納品物の品質責任と原価管理
ディレクター フリーランス・小規模チーム 構成/指示書作成・素材整理・進行管理・修正の一次対応 納期と編集者の稼働確保
2次・3次の請負 フリーランス・チーム 受けた作業の再委託とチェック 再委託先が飛ぶリスク
実作業者 個人の動画編集者 指示書どおりの編集作業 基本的に作業時間のみ

下に行くほどリスクが小さくなっているのがわかると思います。単価が下がる理由の半分はここです。受け取る金額は、負っているリスクと担っている機能の量に比例する。それだけの話なんですよね。

2. 階層別マージン構造表 ── 誰がいくら抜いているのか

では、実際にいくら抜かれているのか。以下は、一般に言われている目安(映像制作会社の粗利は30%前後、外注費は受注額の7割程度が上限)を各階層に当てはめたモデル試算です。実際の配分は案件ごとに大きく変わりますし、階層をすべて通るとも限りません。「構造の形」を理解するための図として読んでください。

階層 受け取る額(試算) 次に渡す額(試算) 差額(=抜く分) 差額は何の対価か
発注元 10万円 予算の出どころ。動画を欲しがっている当事者
制作会社・代理店 10万円 7万円 3万円(約30%) 営業・企画・数字責任・品質保証・請求と入金管理
ディレクター 7万円 3万円 4万円 構成と指示書の作成・素材整理・進行管理・修正窓口・編集者の確保
2次の請負 3万円 5,000〜1万円 2〜2.5万円 再委託の手配とチェック(機能が薄いほど「抜き」の性格が強くなる)
実作業者 5,000〜1万円 指示書どおりの作業

注目してほしいのは、上の階層ほど「抜いている」のではなく、上の階層ほど「機能を持っている」という点です。制作会社が乗せている30%は、営業して案件を取ってきたコスト、品質を保証する責任、入金前に外注費を立て替えるキャッシュフロー負担の対価です。

だから中間マージンの正体は、こう言い換えられます。「指示書の作成費用や営業代行費用を、ディレクターに払っているようなもの。だったら指示書の作成から自分でやればいいし、営業を自分からやればいい。手取りが増えるシンプルな話です」

この構造を、僕は「営業サボり代」と呼んでいます。営業をしない代わりに、見えないマージンとして払っているコスト、という意味です。営業したくない、指示書も書きたくない。その選択自体は間違いじゃありません。ただ、その選択には価格という値札がついています。

マージンには2種類ある

  • 機能マージン:営業・企画・進行・品質保証など、実際に価値を生んでいる仕事への対価。正当な対価です。
  • 位置マージン:「先に受注した」という位置だけを根拠に取る分。機能が薄い2次・3次発注ほど比率が高くなります。

2次・3次代理店への営業が推奨されないのは、そこが悪い会社だからではありません。そのポジションからあなたに届く金額が、機能マージンを何度も引かれた後の残りだからです。構造の問題であって、人の善悪の問題ではありません。

3. データで見る ── 単価分布は逆ピラミッドになっている

ここからは実データです。株式会社ブイストが受講生から集めている成果報告のうち、単価が記入されていた263件の分布は次のとおりでした。

単価帯(1本あたり) 割合 商流上の推定ポジション
1万円未満 39% 末端の実作業。指示書あり・裁量なし
1万〜3万円 37% ディレクターや制作会社からの直請け。裁量が少し出る
3万〜5万円 11% 制作会社・代理店との直接取引。構成から関与
5万〜10万円 7% PR・コーポレート系。企画から参加
10万〜30万円 4% 案件を丸ごと巻き取る受け皿ポジション
30万円以上 2% 運用・制作を包括で請ける契約形態

※比率は四捨五入のため合計が100%になりません。1本あたりの単価であり、継続本数や稼働量は含みません。特定の成果を保証するものではありません。

この分布は、そのまま商流の形と重なります。1万円未満と1万〜3万円で全体の4分の3を占め、3万円を超えると急に薄くなる。これは編集技術のレベル分布ではありません。編集者が立っている位置の分布です。編集の中身だけを見れば、不動産のルームツアー動画も飲食店のPR動画も、YouTube編集で身につく技術で作れるんですよね。それでも単価帯が違うのは、発注元の目的と予算の出どころが違うからです。

4. 経路別の単価傾向 ── どこから受注するかで位置が決まる

「位置」は、案件をどこから取ってきたかでほぼ決まります。同じ受講生データで案件の獲得経路(複数回答)を集計すると、主要8経路で延べ270件でした。

獲得経路 件数 構成比 商流上の接続先 単価傾向
クラウドワークス 76 28% 末端〜2次・3次が中心 低め。相見積もりが前提で価格競争になりやすい
知人・友人からの紹介 56 21% 紹介者の位置に依存(振れ幅が最大) 紹介元が上流なら高く、下流なら低い
その他コミュニティ(交流会・ディレクター繋がり等) 49 18% 1次〜2次。制作会社やディレクターと直結しやすい 中〜高。関係性が単価を支える
X(旧Twitter)の募集投稿・DM営業 26 10% 個人発注者・小規模事業者が中心 低〜中。母数は多いが単発になりやすい
ブイプロ内コミュニティ・案件募集部屋 24 9% スクール経由の1次・2次 中。実務経験を積む導線として機能
ランサーズ 18 7% 末端〜2次・3次が中心 低め。傾向はクラウドワークスと同様
企業へのメール営業 12 4% 1次(制作会社・代理店・事業会社)に直結 高くなりやすい。ただし件数は最も少ない
Indeed・Wantedlyなど求人媒体 9 3% 事業会社・ベンチャーに直結 中〜高。業務委託として継続化しやすい

※複数回答のため延べ件数です。単価傾向は個々の金額データではなく、経路の性質と接続先の階層から読み取れる傾向を記述したものです。

この表で重要なのは、件数が多い経路と、上流に接続する経路が逆になっていることです。クラウドワークスとランサーズで全体の35%を占めますが、接続先は商流の下側。一方、企業へのメール営業と求人媒体は上流に直結するのに、合わせて7%しかありません。募集が出ている場所には応募が集中し、同じようなポートフォリオと営業文が並ぶ。僕たちはこの状態を「金太郎飴」と呼んでいます。

もうひとつ、紹介が21%と2番目に多い点も見逃せません。紹介の単価は、紹介者の位置にそのまま引きずられます。「紹介で仕事が回っているのに単価が上がらない」という相談は、だいたいここが原因です。経路と単価の関係は動画編集者の実態調査データもあわせて確認してみてください。

5. 下請けは悪ではない ── 下請けポジションの正当なメリット

ここまで読むと「下請けから今すぐ抜けなきゃ」と思うかもしれません。でも、下請けを一方的に否定するのは誠実じゃないです。下請けポジションには、対価に見合った明確なメリットがあります。

  • 営業しなくていい:案件が上から流れてくる。営業に使う時間をゼロにできる。
  • 数字責任を負わない:再生数や売上の責任は上の階層が負う。「言われた100を返せばいい」状態で完結する。
  • 仕事が読める:指示書とレールがあるので作業時間の見積もりが立てやすく、生活設計がしやすい。
  • 実務の練習場になる:プロの指示書を毎回読めるのは、独学では得られない教材価値がある。
  • 未払いリスクが低い:法人が発注元の案件は、個人発注に比べて支払い構造が堅い。
  • 撤退しやすい:契約が軽く、体調や家庭の事情で稼働を落としても致命傷になりにくい。

実務経験が浅い時期に下請けから始めるのは合理的です。品質が案件レベルに達していない段階で上流に行くと、受注はできても納品で信用を落とします。問題は「下請けであること」ではありません。「下請けしか選べない状態が固定されること」です。いま自分は、選んで下請けをやっていますか。それとも、それしか選べないだけですか。

状況 判断 理由
実務経験が浅く、修正指示が毎回多く返ってくる 留まる 品質が安定する前に位置を上げると信用を落とす
本業・育児などで稼働時間が限られている 留まる 営業と進行管理の時間コストが回収できない
修正がほぼ返らず、納期も安定している 動かす すでに機能を持っているのに対価が位置に縛られている
単価が長期間変わらず、値上げ交渉も通らない 動かす その階層の上限に到達している可能性が高い
作業時間を短縮しても手取りが増えない 動かす 時給の低い仕事を速くやっているだけの状態

6. 上流に行くほど、何が求められるようになるのか

上流に行くと単価は上がりますが、求められるものも変わります。ここを分かっていないままポジションだけ動かすと、受注はできても続きません。

ポジション 求められる中心スキル 納品物の範囲 引き換えに負うもの
末端の作業者 指示書を正確に守る力・作業速度 編集データ/書き出し動画 作業時間
ディレクター直請け 編集品質・レスポンス速度・自走力 編集+簡単な構成判断 納期責任
制作会社と直接取引 クライアントワーク力・修正対応の設計・見積提示 構成+編集+サムネイル等の周辺 品質責任・見積の妥当性
代理店パートナー 営業力・提案資料・多ジャンル対応・即見積り 企画から納品までの一部工程を包括 代理店の看板を背負う責任
事業会社と直接取引 成果への理解・目的の翻訳・継続提案 企画・制作・運用の設計まで 数字責任・当事者としての説明責任

この表の右2列が、上流の単価の中身です。上流の単価は「編集がうまいこと」にではなく、「発注元の手間と不安を減らすこと」に払われている。ここを取り違えると、いくら技術を磨いても単価は動きません。あと、上に行くほどレスの遅さが致命傷になります。完璧な返事はいりません。「出先なので19時に返します」という一次返信を即返せるだけで評価は変わります。

7. 実践 ── 上流に上がるための5ステップ

ここからが実践です。構造がわかっても、動かなければ位置は変わりません。

ステップ1:いま自分がどの階層にいるかを特定する

  1. 指示書は誰が書いているか:他人が書いているなら、あなたは実作業者の位置にいます。
  2. 発注者はこの動画で何を達成したいのか、知っているか:知らないなら、発注元との距離が2階層以上あります。
  3. この案件のエンドクライアントは誰か、言えるか:言えないなら、間に何層あるか把握できていない状態です。

この3つを、いま抱えている案件1件ずつに対して書き出してください。位置は感覚ではなく、事実で確認します。

ステップ2:抜かれている「機能」を自分で持つ

マージンは機能への対価です。だったら、機能を自分で持てばその分は自分に残ります。持てるものから順に取りに行ってください。

  • 構成・指示書:渡された指示書を自分でも書けるようにする。既存案件の構成を逆算して書き直す練習が有効です。
  • 素材整理・進行管理:素材整理、スケジュール管理、リマインドまで巻き取る。「進行が楽になる人」は替えが利きません。
  • 営業:最大のマージン要因です。自分で取ってくれば、営業サボり代を払う必要がなくなります。
  • 周辺の納品物:サムネイル、切り抜き、縦型リサイズまで受けられると、発注側の管理コストが一気に下がります。

ステップ3:営業先を「2次・3次」から「1次」に変える

多くの編集者がやっているのは、2次・3次の請負に対する営業なんですよね。狙うべきは1次、つまり映像制作会社・広告代理店・事業会社への直接アプローチです。入口は売り込みではなく「御社の案件の一部をお任せください」というパートナー提案にします。制作会社1社には複数の広告主の案件が集まっているので、A社・B社・C社の3社に営業するより、その3社が依頼している制作会社1社と繋がるほうが早い。これが上流アプローチの効率です。

具体的なメール文面や商談の進め方は、企業への直接営業を7ステップで解説した記事で手順化しています。

ステップ4:相手の粗利を計算してから金額を出す

多くの人は「いくらならもらえるだろう」と自分側から金額を考えます。順序が逆です。相手にいくら残るかを先に計算してください。一般的な目安として映像制作会社の粗利は30%前後と言われるので、10万円で受注している案件なら外注に出せる上限はおおむね7万円。この計算ができていれば、相手に粗利が残る範囲でいくらを提示すべきか判断できます。逆に相手の粗利を潰す金額を出せば、実力があっても発注する理由がなくなります。

相場より安く出す場合は理由を先回りして説明するのが鉄則です。「フリーランス体制で中間コストが乗っていないため」「工数と時給から逆算した金額のため」と根拠を添える。理由のない安さは、品質への不安に直結します。値付けの考え方は動画編集の単価を上げる方法をまとめた記事で整理しています。

ステップ5:「受け皿」になる3条件を満たす

  1. 質と量を担保できる:1人でさばける量には限界があります。信頼できる編集者と組み、量の波に耐えられる体制を作る。
  2. 多種多様な案件に対応できる:「この案件はこの人には任せられないな」と一度でも考えさせたら受け皿として失格です。YouTube特化ですら、企業から見れば狭い専門です。
  3. 見積もりを即出せる:相手が見積もりを持っていないと案件を売れません。即答できる状態は、相手の営業活動を支援する設計そのものです。

補足として、代理店には「隠れ特化」があります。実際は特定業種に偏っているのに、他業種の問い合わせを逃したくないのでHPには書きません。対策は、事前に5ジャンル程度の制作イメージを用意し、「うちは製造業が多くて」と言われたら「行けます」と即答できる状態を作っておくことです。

8. 上流に上がった人がハマる落とし穴

最後は、僕の失敗の話です。商流の上に立つと、下に流すという選択肢が生まれます。ここで機能を持たずに位置だけで抜き始めると、必ず壊れます。僕は2万円で受けた仕事を5,000円で流していた時期がありました。終わりは突然でした。クライアントに横流しが伝わり「あなたが間にいる意味がないので、直接編集者とやり取りさせてください」と言われ、案件の席ごと消えたんです。堪えたのは金額のほうではありません。目先の利益のために編集者を買い叩いていた自分に気づいたことでした。結局、僕が悪かったんです。

  • 間に立つなら、間に立つ理由を持つ:指示書を書く、品質を保証する、営業して案件を取ってくる。機能がなければ、抜いている分は「消える理由」でしかありません。
  • 低単価の外注は構造的に破綻する:5,000円の案件から1,000円抜いて4,000円で出すと、4,000円で受ける編集者のスキル帯と向き合うことになり、管理コストが跳ね上がります。単価と管理コストは逆相関します。

上流に上がることは、抜く側になることではありません。機能を増やして、その対価を受け取る位置に移動することです。

まとめ

動画編集の単価は、技術より先に商流上の位置で決まります。中間マージンの正体は搾取ではありません。営業・企画・指示書・進行管理という機能への対価です。だから、その機能を自分で持てば手取りは増えます。下請けにも営業不要・数字責任なし・安定という正当なメリットがあって、否定すべきは下請けではなく「それしか選べない状態」のほうです。

単価が上がらないと感じたら、ソフトを開く前に、いま抱えている案件の商流図を紙に書いてみてください。エンドクライアントは誰ですか。間に何人いますか。指示書は誰が書いていますか。それが書けた時点で、次に取りに行くべき機能は自動的に決まります。

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よくある質問

Q1. 動画編集の相場はいくらですか?

「1本いくら」という単一の相場は存在せず、商流上の位置と案件種別で階層的に分かれている、というのが実態に近い答えです。当社の受講生データ(単価記入263件)では、1万円未満が39%、1万〜3万円が36%、3万〜5万円が10%、5万〜10万円が7%、10万〜30万円が4%、30万円以上が2%でした。同じ「YouTube1本の編集」でも、末端の実作業として受けるか構成から巻き取るかで金額帯が変わります。相場を調べるより、自分がどの階層の相場を見ているのかを確認するほうが実用的です。

Q2. 制作会社の下請けはやめるべきですか?

やめるべきだとは思いません。営業が不要・数字責任を負わない・支払い構造が堅い・プロの指示書が毎回教材になる、という明確なメリットがあります。とくに実務経験が浅い時期は、下請けで品質を安定させるほうが結果的に近道です。見直したほうがいいのは、単価が長期間動かず、値上げ交渉も通らず、作業を速くしても手取りが増えない状態が続いているとき。その場合は下請けをやめるのではなく、下請け以外の経路を1本増やすところから始めてください。

Q3. 直取引は難しいですか?

クラウドソーシングより手間はかかりますが、難易度が特別に高いわけではありません。当社データでは、企業へのメール営業(12件)と求人媒体(9件)は上流に直結する経路でありながら、全体の7%しか使われていませんでした。難しいのではなく、単にやっている人が少ないんですよね。コツは、いきなり大きな仕事を狙わないこと。「御社の案件の一部作業をお任せください」という入り方なら相手の意思決定は軽くなります。大企業への飛び込みは現実的ではないので、規模の小さい制作会社・代理店・ベンチャーから当たるのが定石です。

Q4. 中間マージンは何%くらいが普通ですか?

業界で統一された規定はありません。一般に言われる目安として、映像制作会社の粗利は30%前後、外注に出せる金額は受注額の7割程度が上限、という数字がよく使われます(案件や時期によって5割程度で運用される話もあります)。階層をいくつも経由すればこの率が繰り返し掛かるため、末端に届く金額は大きく目減りします。重要なのは率そのものより、その率の裏にどんな機能があるかです。営業・企画・進行管理という実務が乗っているマージンは正当な対価であり、機能が伴わないマージンは遅かれ早かれ発注元に飛ばされます。

Q5. クラウドワークスやランサーズは使わないほうがいいですか?

使わないほうがいい、とは思いません。当社データでもクラウドワークス76件・ランサーズ18件と、最も多くの案件が生まれている経路です。実務経験を積む場、ポートフォリオの素材を作る場としては有効です。注意すべきは、そこが商流の下側に接続しているという事実を自覚せずに長期の主軸にしてしまうこと。発注者が自ら募集を出している場所には応募が集中し、価格競争になりやすい構造があります。練習場として使いながら、並行して上流に接続する経路を1本育てておく二段構えが現実的です。

免責事項

本記事に記載した金額・比率は、当社が受講生から任意で収集した成果報告データ(単価記入263件、獲得経路は複数回答で延べ270件)および業界で一般に言われている目安をもとにしたものです。個別の案件条件・地域・時期によって実際の金額は大きく異なります。マージン構造のモデル試算は構造の理解を目的とした仮の数値であり、特定の企業・団体の実際の取引条件を示すものではありません。また本記事は、特定の収入・成果を保証または約束するものではありません。記事内の見解は執筆時点のものです。

執筆:山田一真(株式会社ブイスト 代表取締役)

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